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【斎宮歴博】四季を通じて花々を楽しめる斎宮跡
今回は、寒がりの私がやっと昼休みの散歩を再開し、見た景色をお伝えしたいと思います。

1月の大雪で、斎宮でも雪が積もり通勤では怖い思いをしましたが、この地域では雪が積もるのも、年間で1回程度なので、もうこの冬は積もらないだろうと楽観(期待)しているところです。

真夏も嫌ですが、年々寒さが体にこたえるようになってきました。
最近、昼休みの睡眠確保を理由に、散歩をさぼっていたのですが、2月に入り少し暖かい日もあったので散歩を再開しました。

まだまだ寒さも厳しく、春の訪れを感じる季節とは言えませんが、ところどころに春を感じる色合いを見つけることができました。

博物館の裏手にある梅林では、紅梅と白梅合わせて100本ほどが植えられておりますが、紅梅は咲いておりました。白梅については咲き始めたばかりでしたが、2月の下旬頃には両方の花が楽しめそうです。

①紅梅
紅梅

②白梅
白梅

斎宮跡では一年を通して、紅梅、白梅、桜、あやめ、ハナショウブ、あじさい、ひまわり、コスモス、イチョウ、モミジ、菜の花・・・・・
と華やかな春季から、透き通ったすがすがしい冬季まで、四季の移り変わりを感じることができる花々が楽しめます。

また、博物館では、3月26日(日)から春季企画展「花愛ずる人びと~歌と宴と~」の開催を予定しております。
平安時代に斎宮を彩った花とともに、いにしえより続く花を愛でる文化を紹介します。

斎宮にまつわる花についても紹介しますので、身近に咲く花々に興味を抱く機会になればと思っています。
こちらもよろしくお願いします。

(大西宏明 おおにし・ひろあき/斎宮歴史博物館)
[2023/02/19 22:00] | 未分類 | page top
【三重県博】ウサギ、rabbit、hare
 今年は卯年(癸卯:みずのとう)、昨年12月17日から本年1月22日まで三重県総合博物館では「三重の実物図鑑 2023年新春展示 三重のウサギたち」を開催し、ウサギに関連したさまざまな収蔵品を展示しました。ウサギは「学校飼育動物」として以前は多くの小学校などで飼育されていたので、実際にウサギに触れた方も多かったと思います。残念ながら、最近はさまざまな事情から学校でのウサギの飼育が行われなくなり、ウサギに触れる機会が少なくってきました。それでも、ピーターラビットを始めとしてさまざまなウサギが絵本やアニメに登場しているので、子供たちにとっては馴染みのある動物だと思います。

 さて、表題のhareとrabbitですが、ウサギは大きく分けてアナウサギ(rabbit)とノウサギ(rabbit)に分かれています。アナウサギはもともと毛皮や肉をとるためにノウサギから家畜化されたもので、その後ペットとして多く飼育されるようになりました。蛇足ながら、最近ではペットを伴侶動物(companion animal:コンパニオンアニマル)として捉える流れが出てきています。一方、ノウサギは野生種であり主に草原や森林、農耕地などで単独で生息しています。先の「三重の実物図鑑」でもニホンノウサギ(hare)の剥製標本の展示を行いました。

 私たちがイメージする毛色が白で目が赤いウサギはアナウサギのアルビノ(白化個体)を品種として固定したもの(日本白色種:Japanese White rabbit)です。そこで一つ疑問が出てきました。「因幡の白兎」はhare or rabbit? 鳥取には白兎海岸や白兎神社があり「因幡の白兎」は白色のウサギだと思いますが、そうであればノウサギ(hare)のアルビノだったのでしょうか?野生の状態でアルビノだと捕食者に狙われやすいので生存は極めて困難なのですが…。もっとも昔から、アルビノの個体(白馬、白蛇など)は神聖なものとして扱われていたのでノウサギのアルビノの可能性も考えられるとは思いますが。どなたか「因幡の白兎」がノウサギのアルビノかどうかご存じないですか?

 ちなみに、私の出身地岩国ではアオダイショウのアルビノである白蛇(シロヘビ)が天然記念物の指定を受けており、市内の繁殖育成施設やシロヘビ観覧所で観覧することができます。岩国のシロヘビはヒトの飼育下ではなく自然状態で出現している極めて珍しいものです。さらにシロヘビは家に住み着けば吉兆をもたらし、財布に抜け殻を入れておけば金運が舞い込むと言い伝えられています。岩国に行く機会があれば錦帯橋の他、是非ともシロヘビもご覧ください。「獺祭」や「雁木」などの地酒もあります。

(守屋和幸 もりや・かずゆき/三重県総合博物館)
[2023/02/05 22:00] | 未分類 | page top
【亀山歴博】江戸時代の亀山の雪の記録
 先週は、10年に一度といわれる寒波到来で、全国的に雪が降ったり凍ったりで、大変な一週間でしたね。亀山市歴史博物館のある市内でも、近年にない積雪とその後の凍結を体験しました。
10年前といえば、平成25年ということですが、やはりこんな感じだったのでしょうか。10年一昔とはよくいったもので、筆者自身なかなか思い出せません。
 ところで、数年前にこのブログで紹介した江戸時代の亀山城主石川家の家臣加藤秀繁による日記には、亀山での雪の記録があるのです。
①文政十二年加藤秀繁日記の表紙
①文政十二年加藤秀繁日記の表紙

 加藤秀繁は、日記の五番、則ち文政十二年(1829)から、各記事の始めの日付に気象情報も記し始めまています。ではどのように雪の日を記しているのか、気象情報を記し始めたこの年の雪の状況をみてみましょう。
 文政十二年
  正月朔日 節分 早朝天気其後雪(早朝天気、その後雪)

②正月朔日の雪
②正月朔日の雪

    二日 立春 天気風
    五日    天気少雪降ル(天気、少し雪降る)
    七日    天気少雪降ル(天気、少し雪降る)
    十一日   天気昼過ゟ風少霰夜少雪降ル(天気、昼過より風、少し霰、夜少し雪降る)
    十三日   曇り暮合前ゟ雪(曇り、暮れ合い前より雪)

③正月十二日から十八日までの雪
③正月十二日から十八日までの雪

    十五日   終日少雪(終日、少し雪)
    十六日   朝少雪其後天気(朝少し雪、その後天気)
    十八日   雪昼過ゟ雨(雪、昼過より雨)
    廿三日   終日少雪(終日、少し雪)
    廿六日   天気夜雪(天気、夜雪)
    廿七日   雪昼過ゟ晴(雪、昼過より晴)
  二月六日 初午 天気風夕方ゟ雨夜薄雪(天気、夕方より雨、夜薄雪)
    廿六日   曇り午頃ゟ霰降ル
 十二月十六日   陰陽少雪風夜雪(陰陽、少し雪風、夜雪)
    十七日   雪折々止ム(雪、折々止む)
    廿三日   天気少風夜雪(天気、少し風、夜雪)

④十二月廿三日から廿五日の雪
④十二月廿三日から廿五日の雪

    廿四日   雪
    廿五日   雪折々止ム(雪、折々止む)
    廿七日大寒 天気
 日記の月日は旧暦なので、正月、十二月は、今でいうと大体二月と一月に当たりますね。つまり十二月は、今頃の時期ですね。令和五年一月の大寒は一月二十日だったので、197年前も、大寒前後に亀山では、雪が降っていたことを知る事が出来ました。

(小林秀樹 こばやし・ひでき/亀山市歴史博物館)
[2023/01/29 22:00] | 未分類 | page top
【四日市博】 「立原位貫」 (2)
前回(昨年11月)に続き立原位貫の調査結果についてお話したいと思います。江戸期浮世絵の復刻で一作ごとに技術も内容も充実し、高い評価を得つつあったにもかかわらず、1990年前後にスランプから休業に至ります。 その一方で、復刻ではなく自身のオリジナルな作品を作ってみたいという思いが強くなり、復刻にアレンジを加える試作を進めた末に、1993年頃より自分の創作版画を本格的に追求・発表し始めます。

ここから(42歳)が立原の創作活動の第二章です。以後身の回りの日常生活や自然や、その時々の心情などを江戸期浮世絵の復刻で培った技術と知識を生かしながら、現代に生きる木版画師としての自覚と天性の鋭い感覚と合わせて、これまでにないオリジナル作品を次から次へと創作、発表して行きます。中には四日市富田の桜の名所、十四川の美しい紅葉を描いた《バードロアー》や、鳥出神社の祭事《四日市鯨船祭》などの作品もあります。

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さらに桃山時代の襖絵のボロボロの断片を、現代風のアレンジによる復元で、画面から和本が飛び出してくるように見えるトリックアート的仕掛けの6曲屏風や、春夏秋冬で画面を入替ることの出来る2曲屏風など、エンターテインメント性満載の作品も残しています。

続く2008年(57歳)頃からは復刻作品の復活、オリジナル作品の創作だけでなく、文学者の江國香織さんと『竹取物語』絵本のコラボ、曽野綾子さん『観月観世』の表紙絵、夢枕獏さんの『大江戸恐龍伝』の挿絵など、実に多種多様な制作活動を展開して行きました。 そして、2015年山口県立萩美術館・浦上記念館での大回顧展の準備をしつつも、開幕のわずか一か月前に癌でこの世を去りました。

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彼の活動の原点でもあった四日市にある博物館として、当館は30周年記念に展示を開催したいと考えています。

(吉田 俊英 よしだ・としひで/四日市市立博物館)
[2023/01/22 22:00] | 未分類 | page top
【桑名市博】漫才風展覧会紹介「家康と千姫」
センヒメ(以下「千」)「どうも~センヒメです~。」

タドトキ(以下「刻」)「どうも~タダトキです!ぼくら夫婦で漫才やらせてもらってます~。ところでな、ちょっとな相談あんねんけど」

千「なんやのん」

刻「あのな、オカンが行きたい展覧会がある、ゆうてんねんけどな」

千「え、どっか行きたいのあんねや」

刻「んでね、それが思い出されへんゆうてんねん」

千「そうなんや、ほんなら私がそのおかあさんの行きたい展覧会?ちょっと一緒に考えてあげるから。どんなこと言うてたか教えてよ」

刻「あのー 大河ドラマに真っ先に乗っかった展覧会っていうねんな」

千「それは桑名市博物館の『こうなる徳川将軍家 家康と千姫』やわ。それは完全に桑名市博さんやないか」

刻「うーんそうかあ」

千「そらそやで。『家康と千姫』よそんなもん」

刻「でもな、オカンがいうには、一生に一度は見たい展覧会がそれやってゆうてんねん」

千「あーほな桑名市博の展覧会とは違うかー。一生に一度は見たい展覧会が『家康と千姫』展でええわけないのよ」

刻「そやねん」

千「そういうのは『国宝展』とかが担うべきよ。桑名市博さんにはそんなん荷が重すぎるわ。ほな『家康と千姫』展ちゃうやん」

刻「そやねん」

千「ほなもう少し詳しく教えてくれる?」

刻「なんでも千姫の復元着物と、絵姿が初めて並ぶ画期的な展覧会らしいねん」

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千「それは『家康と千姫』展よ!担当者が正月早々集荷に行ったやつに決まってるやんそんなん。他にも千姫の御遺品をじかに見られるいい機会やねんから、桑名市博に決まってるわよ」

刻「でもわからへんのよ」

千「何がやの」

刻「オカンがいうには、その展覧会は大人にとっては楽勝の子ども用プログラムが用意されてるらしいねん」

千「ほな桑名市博じゃないわー。桑名市博の「子どもチャレンジシート」は「子ども」とは名ばかりの地獄のプログラムやからね。大人が舐めて参加してドツボにはまるところまでがセットなんやから。そういうカラクリなんやから。あんまり難しくなってたら私もいよいよ動くわよ。ほな桑名市博と違うやんか」

刻「そやねん。でも子どもさんは楽しんで解いてるらしいのよ」

千「そうなんや、それはそれでええけど…。ほなもうちょっとヒントちょうだいよ」

刻「オカンがいうには、その展覧会は村正とか、刀剣も展示されてるらしいねん」

千「それは『家康と千姫』展やわ。徳川家にたたる、といわれた村正は桑名で作られてたんやし、それは展示されてるよ~。今回は村正2口含む7口が展示されてるから、それは桑名市博よ。桑名市博で決まりよ!」

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刻「でもな、オカンがいうには、説明文が正統派で小難しいところがある、ゆうねん」

千「ほな桑名市博ちゃうやないか!あそこのキャプションのどこが正統派なのよ!M-1におけるランジャタイとかヨネダ2000とかあっちのテイよ!荒ぶってるのが通常営業やねんから!最近はお客さんもそれに慣れてきてるから『それが普通や』みたいな雰囲気出てるけど決してそんなことはないからね。私の眼は騙されへん。私騙したら大したもんや」

刻「そやねん」

千「ほなもう一度詳しく教えてくれる?」

刻「オカンがいうには、服部半蔵に関する史料も見たいってゆうてるのよ」

千「それは『家康と千姫』展よ~。服部半蔵は家康に仕えてたけど、そのあとは桑名藩に仕えるのよ。そして服部半蔵の名前は代々継いでいくから服部半蔵は桑名藩士になるわけやから。桑名の人も知らないから、服部半蔵の屋敷が桑名にあるっていったらびっくりするのよ」

刻「せやニン」

千「せやニンってなんやのよ」

刻「わからへんねん、でも」

千「何がわからへんのよ」

刻「俺も『家康と千姫』と思てんけどな、オカンがいうには『家康と千姫』ではない、っていうねん」

千「え。ほなちがうやないの。おかあさんが違うゆうてんのやったら『家康と千姫』ちゃうやんか」

刻「そやねん」

千「先ゆうてよ~」

刻「ごめんごめん。んでねオトンがいうには」

千「オトン?」

刻「うん。オトンが言うには『忠政と熊姫』ちゃうか?って言うねん」

千「それオトンとオカンやないか!ええかげんにしてー」

刻&千「どうも、ありがとうございましたー」

*****
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会期:令和5年(2023)1月14日(土曜日)~2月26日(日曜日)
場所:桑名市博物館
開館時間:午前9時30分から午後5時まで(入館は閉館の30分前)
休館日:毎週月曜日
入館料:大人[高校生以上]500円、中学生以下無料 ※20名以上の団体は1人400円
桑名市博物館メールマガジン購読者は携帯画面を見せるか、プリントアウトしたものを見せれば本人及び同伴者合計2人まで各400円
※障害者手帳を提示の方は、本人およびその同伴者合わせて2名まで無料

(杉本 竜 すぎもと・りゅう/桑名市博物館)
[2023/01/15 22:00] | 未分類 | page top
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