2022年 2月 6日のブログで、四日市市立博物館の「昭和のおもちゃ展」に関連して、日本のブリキ玩具について書かせていただいた。 今回は日本ではなく、イギリスで作られたブリキ製品について書かせていただく。
イギリスは「シルバー・クレーン(orクレイン)社」という会社で作られたブリキの菓子缶。 ![]() 中にクッキーやチョコレート、紅茶などが入り、食べ終わった後の空缶は小物入れとして、玩具として、インテリアとして、また貯金箱などとして再利用出来るようになっており、その可愛さやポップな色などが人気で、贈り物にしたり、コレクションしたりする人が世界的な広がりをもっているという。 ![]() 第一の目的(用途)が、中に菓子を多く入れるということもあり、そのズングリムックリなスタイルが何よりも独特の可愛さを生み出す。 車・汽車・靴・鞄・本・民家・ジュークボックス・熊やトナカイなどの動物等々、かなりのバラエティに富んでいる。その表面の色彩も、まるで絵本や子ども向けのイラスト等に登場するような艶やかな色使いや、豊かな表情にあふれ、子どもだけでなく、大人の心をも魅了する。中でも限定オリジナル缶は、コレクターの間で高値で取引されるビンテージともなっているという。 ![]() シルバー・クレーン社は1982年創業。そのデザイン性の高さや人気などから、イギリスの商品パッケージのアカデミー賞「UK PACKGING AWARD」の常連と言われるぐらい、何度も受賞を重ねている。 もともと缶詰などの食品保存容器、つまり食品の保護・保管という主機能から出発した菓子缶が、現在はそこに「楽しさ」「美しさ」「エコ(再利用可能)」などという機能を加え、さらには「アート」としての存在価値で私たちの日常に潤いをもたらしてくれている。 これもいずれは、博物館や美術館のケースの中からお客さんに微笑みかけてくれる存在になれればいいなと思う。 (吉田俊英 よしだ・としひで/四日市市立博物館) ***** 鑑定団みててもブリキのおもちゃ類ってかなりの高値で取引されていますもんね。コレクター魂、恐るべし…。 スポンサーサイト
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