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佐藤家文書展@石水博物館 へ行きたかった……
ご無沙汰しております、桑名市博物館元職員のK.Mでございます。
当館の夏の企画展「神社の来歴」開催中、新型コロナの感染者数が県内で急増したこともあり展覧会は急遽閉幕することとなり、9月11日から開幕の予定だった「小林研三」展は緊急事態宣言が9月末まで延長になって未だ開けず……しかも、会期、10月10日までの予定です。メイン展示を初めて担当する職員さんの頑張りを少しだけですが知っている身としては、どうしようもないものの歯がゆい思いで堪らないですね。
個人的には、緊急事態宣言の影響で結局斎宮さんと石水さんの展覧会観に行けなかったこともあって、新型コロナへの恨み骨髄です。県外のは諦めるから、せめて県内のだけでも行きたいな、と思ってたんですよ。えぇ。

ということで、今回は「私は石水さんの佐藤展行ってこれが観てみたかったのですよ!」というお話です。
いつまでもあると思うな展覧会。そんな自戒を込めて。






石水さんの佐藤家文書展、図録が作られているのですが。(絶賛販売中。気になる方はホームページでご確認のうえお問い合わせください。)
出品目録確認したら、図録未掲載の作品資料も結構(個人的印象)あったんです。和歌関係とか、小津桂窓の書簡とか。これは展覧会に足を運ぶしか! と思っていた7月末の自分に言えるものなら言いたい。とっとと行け!(来週行こう、と思っていた矢先、緊急事態宣言が出て行けず終いになりました……)
私は専門バカなので、平安時代以外のことには疎いのですが、桂窓のことは奇跡的に学生の頃に知る機会がありました。『有明の別れ』という物語がきっかけです。『有明の別れ』は平安時代最末期、あるいは鎌倉時代最初期に成立したと考えられている物語です。
『無名草子』の中に「今の世の物語」のひとつとしてその名が見え、『風葉和歌集』という物語中の和歌を勅撰集風に部立ごとに編纂した和歌集に作中和歌の一部が採られているのですが、伝本があまり伝わらなかったのか、いつの頃からか散佚物語とされていた作品です。それが戦後になって、桂窓の旧蔵本「西荘文庫」の中からひょっこり出てきた。天下の孤本さま! みたいなロマンあふれるお話に、20歳くらいだったKさんはトキメキを覚えたものです。思わず、影印を収めた『天理図書館善本叢書』の該当巻や古典文庫、大槻修先生の注釈などを買い集めたものです。別に研究対象というわけではなかったのですが。り、隣接分野なので……!
さて、そんな一方的に縁を感じていた桂窓の書簡! 蔵書家さんの書簡とかすごくおもしろ楽しそうです。どんな内容なんだろうなぁ、とうきうきしていたのですが……(´・ω・`)
なお、桂窓の書簡は和泉書院さんから『石水博物館所蔵 小津桂窓書簡集』として、書簡の画像DVDつきで7,000円(税抜)で絶賛発売中です。翻刻を年代順に掲載、人名索引&書名索引つきの親切設計。書店で取り寄せて買いましたよね。

ちなみに、『小津桂窓書簡集』は今年の2月出版だそうですが、3月に九州大学出版会から『在明の別残月抄 天下の孤本を新しい校訂本文で読み解く』という研究書が出されています。他に伝本がないことを「孤本」と言いますが、つき合わすべき本文がないということは虫食い(虫損)や汚れ、誤字その他の要因で文字が読めず、本文の意味が取れない場合、「こっちだと○●て書いてあるから、ここも○●って読むのだろう」というような対校が出来ません。それを、どのようなアプローチで新しい校訂本文を作っていくのか、こちらもたいへん興味深いです。



秋分の日を迎え、当館の特別展の開幕まで残すところひと月になりました。次の情報解禁時期についてはいつ頃の予定かちらっと聞きましたので、私も「情報解禁されましたよー!」と拡散するイメトレをして待機しようと思います。どんな情報が出るのか、楽しみですね。
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[2021/09/23 21:27] | 未分類 | page top
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