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【松阪歴民】寒いときには寒い話を!「大寒」!!
『寒』という字は何個出てくるでしょうか?

さて、寒い日が続いています。今年はラニーニャ現象とやらで、暖冬ではなくいつも(・・・)(普通)の冬という感じです。

今は、1年の内で最も寒い「二十四節気」の終わりの「大寒」で、1月20日から2月2日までの期間をいいます。

【御在所岳の氷瀑】
御在所岳の氷瀑


翌3日は二十四節気の始まりの「立春」となります。例年だと2月3日までで、翌4日が「立春」です。

今年のようになるのは、暦の関係で124年ぶりのことだそうです。(そうそう、毎年、豆まきをする人、恵方巻を食べる人、節分の日(今年は2日)を間違ってはいけませんよ!)

二十四節気とは元々、古代中国から伝わり、太陰太陽暦(旧暦)の日本では、季節を表すのに使われていました。

現在の日本では、江戸時代、天明7年(1787)に太玄斎の著した『こよみ便覧』によっています。
そこには、大寒のことは「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」とあります。現代では、国立天文台が「冷気が極り、最も寒さがつのる」と表現しています。何はともあれ、1年の内で最も寒さが厳しく、全国各地でその年の最低気温が、多く観測されるのがこの頃です。

そこで、三重県津市の記録を調べてみました。

すると、観測史上1日の最低気温の最も低い記録は、実に明治37年(1904)1月27日の-7.8℃

1日の最高気温の最も低い記録は、明治33年(1900)1月26日の-1.2℃が記録となっています。

何と何と、津市でも1日中、0℃以下の真冬日があったのです。余りにも古い記録なのでここ10年を見てみると、それぞれ平成23年(2011)年1月16日の-3.0℃と平成24年(2012)2月2日の3.2℃となっています。(う~ん!やはり地球温暖化は進行している!!!)

【白銀の鎌ヶ岳】
白銀の釜ヶ岳


私は、寒い夜に布団に入って、北西風がビュービュー吹く音が聞こえるといつも思うことがあります。

『江戸時代や明治時代に生まれなくてよかったぁ~。』

地球温暖化で温かい冬で、暖かい毛布や羽毛布団があっても寒いのに、今より寒い冬で、今のような暖かい毛布や羽毛布団もないのは、いくら昔の民具で見る火(ひ)鉢(ばち)や炬(こ)燵(たつ)、行(あん)火(か)、湯湯婆(ゆたんぽ)があっても私には耐えられそうにありません。

さて、少し話が横道にそれましたが、「二十四節気」をさらに細かく分けた「七十二候」という季節の表し方があります。

「大寒」は、初候「款冬華」(ふきのはなさく)、次候「水沢腹堅」(さわみずこおりつめる)、末候「鶏始乳」(にわとりはじめてとやにつく)と3つに分けられています。

ここで、最初に書いた「大寒」の次は「立春」を思い出してください。

「最も寒いその次は、もう春か?うんっ!」と思った人はいませんか。

しかし、それで理にかなっています。最も寒いということは、もうそれ以上寒くならないということなので、後は今より暖かくなるしかないのです。「大寒」の中の「七十二候」もすでに「ふきのとうが蕾を出す」「鶏が卵を産み始める」と動植物が活動を始める様子が表現されています。

ふきのとう


寒い中にも春の息吹が感じられるということですね。最後に少しだけ暖かくなりましたか。
(答えは20個でした。)(松阪市立歴史民俗資料館 川口朋史)
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川口さんより心が温かくなるようなコラムをいただきました。寒い日が続きますが皆さまもどうぞ暖かくしてお過ごしください。
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[2021/01/24 10:00] | 未分類 | page top
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