桑名市博物館の元職員・K.Mです。
前回「近いうちに」と書きながら、気がつけばひと月以上が過ぎているという有り様……時間泥棒コワイ……(>_<) その間に、中日新聞の北勢版で刀剣幻想曲の紙上展覧会が始まったり、緊急事態宣言が解除されていろいろな自粛規制が緩和されたり。 本日のメルマガでも案内がありましたように、桑名市博物館もついに! 明日から開館!! 展示解説とか、図書館セミナーとか中止になってしまいましたが、何はともあれ、展覧会を開いてみなさまにご覧いただける!!!! 長期休館の間に調査研究が捗ることもありますが、ミュージアムにとってはみなさまに観て・知って・興味を持っていただくことも大切な役割のひとつですからね。お待ちくださっていたみなさまと同じか、それ以上に、中の方たちは開館が待ち遠しかったのではないかと思います。 さて、令和2年度最初の展覧会は…… 「東海のポスター創世記」 東海地方のポスターデザインの草分け、神内生一郎さんの業績を紹介する1階の企画展です。 また、今年度より実験的に採り入れることとなりました「特集陳列」ではガラス作品と刀剣をご覧いただけるとのこと。 「人に寄り添うガラスのかたち/収蔵刀剣展1」 梅雨入りの声も聞こえ始め蒸し暑くなってきた季節に、ガラス作品で少しでも涼やかな気持ちになっていただけますように。 そして、収蔵刀剣展として7振の刀剣が出品されています。中には「刀剣幻想曲」に出品するはずだった刀剣もあるとのこと。まったく同じ、というわけにはまいりませんが、幻となってしまった展覧会の一部なりともお楽しみください。 会期は6月2日~6月28日まで。月曜日休館の4週間です。入館料は高校生以上150円ですよ☆ 詳しくはホームページでご確認ください。 メルマガにも書かれていましたが、ご入館時にみなさまにできご理解・ご協力いただきたいことがございます。 ということで、何だかもう必要も需要もない気がするのですが、取り敢えずきりよく、「村正その2」を書いて、「刀剣幻想曲」のブログde展示解説を終えようと思います。 「徳川に祟る」を始めとした妖刀伝説で、ある意味人気の村正。 その伝説の始まりは、家康自身や親族の不幸に「村正」が関わっていたから、とかなんとか…… 家康が「村正」で怪我をした? 一度や二度くらい、さもありなん。 何せ、前回書きましたように、「村正」は日本刀界のユニク○ですからね! しかも、村正の活躍した勢州桑名と三河は七里の渡しを挟んであっちとこっち。そら、たくさん流通していたことでしょうよ。 「伝説」の始まりがどのようなものであったかはさておき、「妖刀伝説」とともに時代を経てきたこと自体は否定しても仕方のないことでしょう。 そして、その影響を色濃く受けた、江戸時代。 徳川に憚って「村正」の銘を消されたものもありました。 あるいは、徳川に徒なすことをもって倒幕のシンボルとされ、中には村正ではないのに「村正」と刻まれた刀剣もあったとか。 「刀剣幻想曲」には、伝村正が一振出品される予定でした。 これは茎に手を加えたような跡があって、無銘。鞘書によってどこかの神社に伝わった「村正」だということが伺われる、というものです。 桑名市内の神社や、七里の渡しの向こう・熱田神宮には幾振もの「村正」が奉納され、現在に伝わっています。 徳川に憚って銘を潰す、改竄する。勝手なことです。でもそれは、目の前の一振を大切に思うが故の行いだったのかもしれませんね。 ということで、ブログde展示解説はこの辺りにて失礼いたします。 拙い内容の記事にお付き合いくださいましたみなさま、ありがとうございました。 最初に書きましたように、当館も明日からいよいよ開館し、みなさまをお迎えすることができます。(そのはず!) とはいえ、新型コロナウイルスはまだまだ油断ならない様子。正しく恐れ、警戒しながら、展覧会をお楽しみいただけましたら幸いにございます。 【「刀剣幻想曲」の紙上展覧会の記事について】 遠方にお住まいで、「せめて図書館でコピー……!」とお思いの方もいらっしゃると思います。 上でも書きましたように中日新聞の「北勢版」での不定期連載の記事ですので、三重県立図書館(津市にあります)所蔵の中日新聞には掲載されていないと思われます。 北勢は市でいうと桑名市、いなべ市、四日市市、鈴鹿市、亀山市ですのでご注意くださいませ。(津市は中勢なのです。) (因みに、桑名市の図書館は6月1日現在、複写サービスはまだ利用できないようです。) スポンサーサイト
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