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サダノブログ -資料の調査-
先月、白河市の担当者さんと共同で東京の資料調査に伺いました。

資料の借用というのは、レンタルDVDや友だちから本を借りるような話ではありません

なぜなら、ミュージアムで展示する資料というのは世の中に1つしかないオリジナルであることが殆どです。

ですので、借りる前の状態とお返しする際の状態と変化が無いか、原則双方の学芸員が立ち会って状態を確認していきます。

また基本的に借用の前には(特に初めてお願いする館の場合)、担当者が行きご挨拶をし、事前に作品調査をさせていただくことが多いです。

何故なら、作品解説を書く際に、寸法や材質を知らないと書けませんよね?
また掛け軸や巻子の場合、紐がきちんとついているか、軸頭は大丈夫か、箱は大丈夫か、いやそもそも箱ごと借りるのか(これを「箱なり」と言ったりします)、箱書きはあるのか、巻き止めはあるのかないのか、付属紙片はどうなのか…とチェックする項目は多岐に渡ります。

私は箱の外寸も取りますが、これは事前に輸送業者さんに伝えておくと、何号の箱で入るかが予測がつくためです。

無論所蔵館で既に採寸・調査が行われていて、図録に掲載されていることも多いのですが、貸す側からすると輸送や展示で資料が痛むというリスクがあるのですが、それを踏まえても多くの人にご覧いただきたいという思いと、本資料に新知見をもたらしてくれるのではないかという期待があるので貸していただけるのです。

そうして調査する間、先方の学芸員は大体こちらの手許を見ています。

調査する側からすると、一番緊張する部分です。やはり「館」に貸すとはいえ「人」が取り扱うものですので…。

個人的に私が(永遠)プレッシャーを感じたのはやはり某大名家系のミュージアムでした…。

そういえばぼちぼち京都文博さんへ桑名市博物館の資料が旅立っていく予定。PRせねば。

6月2日(本能寺の変)から京都文博さんで「大関ヶ原展」開催されます。HPはこちら

三重県からは三重県指定文化財の《黒漆塗唐冠形兜》(伊賀市蔵)も出るみたいですよ!
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[2015/05/08 23:20] | 大定信展 | page top
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