大定信展、図録を作る予定なのですが、そこに印譜を掲載する予定です。
定信さんは筆まめだけあって結構な数の自筆史料が残っており、署名や印はかなりの数に登ります。 それを整理・同定していく作業は大変なのですが、そうした研究こそが学芸員の大事な仕事でもあるのでこれはやらねばなりません。 今のところぼちぼち材料を集めていってるところなのですが、大まかに言うと絵と書では根本的に使用する印鑑が全く違います(たまぁーにダブるときもありますが、まずまれ[not朝ドラ]です)。 こうした署名の研究はやっぱり絵画史で厚くて、近年だと 對馬恵美子『平尾魯仙の落款について』 青森県立郷土館研究紀要(37) 2013.3 切原勇人『薩摩の絵師 木村探元の落款について』 黎明館調査研究報告25 2013 中村麗子『上村松園の作品における落款について』 東京国立近代美術館研究紀要(16) 2012 と個別の研究蓄積が目に付きます。 総論ですと『歴史読本』847号(2010年1月)で 「落款の世界--名前を記すことへのこだわり 渡辺崋山/円山応挙/犬養毅/山東京伝/勝海舟/横山大観 ほか」 が特集されており、「落款」を理解するには丁度良いかも知れません。 単著では北川博邦「モノをいう落款」(二玄社, 2008.8)が内容はわからないのですが面白そうです。 まずはこれらに目を通して、「落款」の基礎的な理解と、分析方法を絵画史から学ぶのがよさそうです。 スポンサーサイト
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