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【四日市博】花札
花札は「トランプ」と「やまと絵」の子どもである。

やまと絵屏風(16c)

日本の12ヶ月に相当する花や景物(四季折々の風物や行事)を配した48枚のカードは、日本絵画の祖先とも言うべき「やまと絵」をベースとしているのをご存じだろうか。平安時代中期-後期(11-12c)に、中国・唐時代の絵画(唐絵)の影響を受けて誕生した日本独自の絵画「やまと絵」は、日本の風土・気候のような自然的背景や歴史的背景などを背負い、さらには文学と結びついて発達して来たため、固有の構造を持つことになった。「季節」と「場所」と「景物」とが一つの場面に描き込まれ、その三要素が関係し合って初めて成立する。

  春(季節)なら 嵐山(場所)の  お花見(景物)

  秋( 同)なら 竜田川( 同)の 紅葉狩( 同)


松に鶴

というような定番の図柄(型)が生まれ、まさにこのような型を、さらに単純化、象徴化したものなのである。中世「やまと絵」屏風に描かれた図柄と花札を比較して見れば、「柳に鳥」「山と月」「紅葉に鹿」「松に鶴」「梅に鶯」等々、似た図柄をいくつも見出すことが出来る。

 そもそも花札は、安土桃山時代に西欧から伝わった「西洋かるた」に日本の花鳥風月デザインを採り入れて、江戸中期頃に完成したのがスタートである。

地方札の一種(復刻)

その後地方へ広まり、これが地方ごとに違うデザイン、遊び方のルールを生んだ。それを明治期に統一した「八八花(はちはちはな)」と言われるのが、今日の花札である。言わばこれは標準語のようなもの。しかしながら、地方ごとのデザイン花札(地方札)もあり、これが地方の特色も反映して、かなり素晴らしいデザイン感覚を示して、楽しませてくれる。
 花札にも日本文化のDNAが生きているんだねぇ。

(吉田 俊英 よしだ・としひで/四日市市立博物館)
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[2023/12/24 22:00] | 未分類 | page top
【桑名市博】新春企画展「松平定信と源氏物語」準備中です!
桑名市博物館の鈴木です。

2023年も早いもので残り2週間ほどとなりました。
特別企画展「家康と千姫―こうなる徳川将軍家―」で幕を開けた2023年、大河ドラマ「どうする家康」もいよいよ大坂夏の陣でクライマックスを迎え、12月17日には最終回放送日を迎えます。
年末も押し迫った中、来年1月に開催する新春企画展「松平定信と源氏物語」の準備をすすめています。展覧会では華やかな源氏絵などを出品する予定ですが、今回は展示のメイン作品である松平定信の《細写 源氏物語》をご紹介したいと思います。

令和6年の大河ドラマ「光る君へ」の題材にもなっている『源氏物語』は平安時代中期に紫式部によって書かれた全54帖の長編物語で、その成立当初から人々に親しまれ、現代まで読み継がれてきた日本を代表する古典文学作品です。
江戸時代に幕府の老中を務めた松平定信(1758~1829)もまた、『源氏物語』に強い関心を抱いていたようで、その生涯の中で7度にわたって筆写をおこなっており、その愛読ぶりがうかがえます。

画像①0096-2細写 物語歌書 『源氏物語』
定信が48歳の時に書写した《細写 物語歌書『源氏物語』 》(桑名市博物館蔵)は縦11.3 cm×横17.2 cmのミニサイズの冊子4冊に『源氏物語』全54帖の内容が記されています。
現代のようにコピー機のない時代、書物を一文字一文字筆で書き写すのも大変だと思うのですが、なんとこの書写本は書型にあわせて本文も1頁に35行(一行あたり約37字)の細字で書かれているのです。文字がとっても小さい!
ですが、このサイズで驚くなかれ。さらに小さな《細写 源氏物語》も存在します。


画像②0093 細写 源氏物語(斜上)
花と月をあしらう小さな箱に納められたこちらの《細写 源氏物語》は定信が61歳の時に書写したもので、6度目に数えられる作品です。1冊の大きさは縦5.5cm×横5.4 cm、1頁に9行(1行当たり約14字)がびっしり書き込まれています。
定信の自筆日記『花月日記』によると、書き写すのに2~3年程かかる想定であったものを8か月ほどで終えたとあり、定信の集中力に感服するばかりです。

 作品自体のサイズは小さいのですが、そのオーラはほかの絵画作品にも引けを取りません。新春企画展「松平定信と源氏物語」ではこれらの細写作品を出品いたしますので、ぜひとも実物を展覧会でご覧いただきたいと思います。

定信の源氏物語~細かすぎて伝わらないサイシャ選手権~

にどうぞご注目ください。

また、新春企画展では2階展示室では特集陳列「〈山〉と〈月〉の日本画」および「刀剣セレクションⅢ―桑博ドラゴンズ―」を同時開催いたしますので、お楽しみに!

会 期:令和6年1月13日(土)~2月25日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし2/12(月)は開館、翌日休館)
入館料:高校生以上150円、中学生以下無料

(鈴木亜季 すずき・あき/桑名市博物館)
[2023/12/17 22:00] | 未分類 | page top
【朝日町歴博】 「令和6年度予算の獲得について」
 朝日町歴史博物館の片山です。

 令和5年度企画展「型、カタ、かた…江戸のやきものづくり」が12月3日(日)で終了となりました。
 また、12月12日(火)に12月議会も終了するので、やっと一休みといきたいところですが、14日(木)に令和6年度当初予算のヒアリングが実施される予定のため、もうひと踏ん張りする必要があります。

 「予算の獲得」や「もうひと踏ん張り」とかっこいいことを書きましたが、実情は既に白旗状態です。

 と言いますのも、現在、朝日町では令和6年度から令和10年度までの「朝日町財政改革推進プラン(案)」の策定に向けて動いているからです。
 このプランは、早期に徹底した収支改善を図る取組を実施し、中長期的な収支均衡を図り、将来にわたって効率的かつ安定的な財政構造への転換を目指すべく策定するものです。

 このことにより、来年度当初予算の作成に当たっては、博物館事業及び図書館事業において、最初から額が設定されたものや、一律減額などの指示があったため、こちらが思っている事業は最初からできなくなってしまいました。
 財政部局からの要求に応える形で予算要求はしましたが、全課のヒアリング結果により更なる減額要請があるかもしれません。
 しかしながら、これ以上の減額は館の運営上厳しいものになるため、なんとか守っていきたいと思っています。
 皆様もこの時期に頭を悩ませていることと思われますが、いい結果になるようお祈りいたします。

(片山裕之 かたやま・ひろゆき/朝日町歴史博物館)
[2023/12/13 22:00] | 未分類 | page top
【真珠博】新刊『図書室で真珠採り』
初めまして。ミキモト真珠島・真珠博物館の中森と申します。

お知らせです。
当館・館長の松月清郎の新刊が12月1日に発売されました!
タイトルは『図書室で真珠採り』。

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思いがけないそのタイトル通り、『今昔物語』『海底二万里』『真珠夫人』など、
古今東西のあらゆる本の中から真珠にまつわるエピソードを
すくい取って考察しています。

真珠博物館が開館したのは1985年。
真珠だけでなく、真珠に関する本の収集も行いコレクションを増やしています。

今でこそインターネットでクリックするだけで本が買える時代ですが、
開館当時、著者は神田神保町の古書店を片っ端から歩き、舐めるように本棚に眼を走らせ探したそうです。

それはまさに海に潜って真珠を探すようなもの。

登場人物の名前だけが真珠で、真珠そのものは全く出てこなかったり、
思いがけず真珠が重要な役割をしている作品に出合えたり。

著者が本という海に飛び込み、拾い上げてきた珠玉のエピソードを披露しています。

人類は真珠にどんなイメージを抱いていたのか。
あなたが手に取った真珠がどのような歴史をたどって来たのか。

真珠の奥深さを知ることができる一冊です。

DSC_1268.jpg

価格は税込み2,200円。真珠博物館、月兎舎HP、三重県内の書店でお求めいただけます。
お早めにどうぞ。

中森 礼子(なかもり・れいこ/真珠博物館)
[2023/12/09 22:00] | 未分類 | page top
【鳥羽水】はじまりは伊勢・市川造船所 カツオ一本釣り漁船にエンジンがついた!
鳥羽市立海の博物館の平賀です

今回は特別展「はじまりは伊勢・市川造船所 カツオ一本釣り漁船にエンジンがついた!」を紹介します。

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伊勢市の文化政策課と共催で12月9日(土)から来年の4月7日(日)まで、鳥羽市立海の博物館の特別展示室で開催します。

漁船にエンジンがついたのは、三重県伊勢市大湊の市川造船所で明治39年建造された静岡県水産試験場の漁業指導船「冨士丸」が最初です。また三重県初の動力付き漁船「南島丸」も明治40年に市川造船所で建造されていますが、その功績はあまり知られていません。

冨士丸ハーフモデル
冨士丸ハーフモデル

鳥羽湊に回航された冨士丸
鳥羽湊に回航された冨士丸

今回の特別展は、江戸時代、元禄年間の創始で、昭和53年頃まで大湊において、木造船から鉄鋼船を数多く造り続けてきた市川造船に残された資料をもとに、日本の漁業・水産業に大きな影響を与えた「冨士丸」や三重県の鰹一本釣り漁船の魁となった「南島丸」などの建造、その後のカツオ一本釣り漁船の発達などについて紹介します。伊勢・大湊の造船業が、三重県の鰹鮪漁業や日本の漁業に与えた偉業について知っていただきたく企画しました。

主な展示資料は、明治37年建造の大分県水産試験場の試験帆船「珍彦丸」(うずひこまる)、和歌山県水産試験場の試験帆船「那智丸」、明治38年建造の大分県水産試験場の試験帆船「豊国丸」、明治39年建造の静岡県水産試験場の試験帆船の「冨士丸」のハーフモデルを展示。ハーフモデル(ハーフカットモデル)とは、言葉の通り船体を縦に半分に切った模型で、明治時代の造船所(船大工)は新しい船をデザインするときに、縮小した半分だけのモデルを造って、形や納まりを検討しました。この他に、市川造船所が昭和5年の御遷宮奉祝神都博覧会に出品した「無動力時代の鰹近海漁船模型」、「鰹遠洋漁船模型(120トン)」、海の博物館所蔵の「西洋型船骨格模型」、櫓漕ぎ時代や動力付きの「カツオ一本釣り漁船模型」数隻を展示します。

「冨士丸」については、前記したハーフモデルとともに建造時の図面、写真。「南島丸」についても図面、写真を展示します。さらに昭和の時代に市川造船所で建造されたカツオ一本釣り漁船の図面や写真、建造船の一覧表などを展示することでカツオ一本釣り漁船の発達の歴史を知ってもらえる特別展です。

(平賀大蔵 ひらが・だいぞう/鳥羽市立海の博物館)
[2023/12/06 22:00] | 未分類 | page top
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