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【四日市博】収集癖・その 5  「シルバー・クレーン缶(菓子缶)」
2022年 2月 6日のブログで、四日市市立博物館の「昭和のおもちゃ展」に関連して、日本のブリキ玩具について書かせていただいた。 今回は日本ではなく、イギリスで作られたブリキ製品について書かせていただく。

イギリスは「シルバー・クレーン(orクレイン)社」という会社で作られたブリキの菓子缶。

菓子缶①

中にクッキーやチョコレート、紅茶などが入り、食べ終わった後の空缶は小物入れとして、玩具として、インテリアとして、また貯金箱などとして再利用出来るようになっており、その可愛さやポップな色などが人気で、贈り物にしたり、コレクションしたりする人が世界的な広がりをもっているという。

菓子缶②

第一の目的(用途)が、中に菓子を多く入れるということもあり、そのズングリムックリなスタイルが何よりも独特の可愛さを生み出す。

車・汽車・靴・鞄・本・民家・ジュークボックス・熊やトナカイなどの動物等々、かなりのバラエティに富んでいる。その表面の色彩も、まるで絵本や子ども向けのイラスト等に登場するような艶やかな色使いや、豊かな表情にあふれ、子どもだけでなく、大人の心をも魅了する。中でも限定オリジナル缶は、コレクターの間で高値で取引されるビンテージともなっているという。

菓子缶③

シルバー・クレーン社は1982年創業。そのデザイン性の高さや人気などから、イギリスの商品パッケージのアカデミー賞「UK PACKGING AWARD」の常連と言われるぐらい、何度も受賞を重ねている。

もともと缶詰などの食品保存容器、つまり食品の保護・保管という主機能から出発した菓子缶が、現在はそこに「楽しさ」「美しさ」「エコ(再利用可能)」などという機能を加え、さらには「アート」としての存在価値で私たちの日常に潤いをもたらしてくれている。

これもいずれは、博物館や美術館のケースの中からお客さんに微笑みかけてくれる存在になれればいいなと思う。

(吉田俊英 よしだ・としひで/四日市市立博物館)
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鑑定団みててもブリキのおもちゃ類ってかなりの高値で取引されていますもんね。コレクター魂、恐るべし…。
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[2022/06/26 23:00] | 未分類 | page top
【桑名市博】三博協、中の人の履歴書 守屋和幸さん(三重県総合博物館)
―ご出身はどちらですか?また高校時代はどのように過ごされましたか?

山口県岩国市です。地元の岩国高校に進学しまして弓道部、また生徒会にも入りました。

―岩国高校というと高校野球ファンにも知られています。

3年春の時に選抜に出場しまして、当時江川の作新学院が強くてね。そういう時代です。

―進路についてはどのように考えてらっしゃったんですか?

医学部、というのも考えていたんですけど、まぁ〈生命〉というものに興味があったので、それで動物を扱う畜産学科、というのを考えて、京都大学農学部畜産学科へ進学しました。

―大学ではどのようなご研究をされたのですが?

主に肉牛をメインに家畜生理学というのをやっていました。また遺伝育種をコンピューターを使って解析したりしていました。やはり〈生命〉が興味対象ですので、こうした遺伝学等の研究そのものは性に合ってたといいますか、面白かったですね。

―就職については如何でしょうか。

いや、あまり考えなかったです。ただ、4回生の時に先輩が伊藤忠商事のリクルーターをやっていらっしゃって「手をあげたらいつでも採用してやるぞ」なんて言われてたんですけど 、たまたまその年は(伊藤忠が)安宅産業と合併して採用がなかった年だったんです。ですのでそのまま修士にあがって後はズルズルと(笑)

―後はズルズルと(笑) 大学では何かサークルに入っていらっしゃいましたか?

サークルはフォークダンスサークル、正しくは京大民族舞踊研究会ですね。そこに入ってました、四年間ずっと。家は下宿でしたね。今の学生はみんな真面目に授業聞きますが、我々の時代は聞きませんでしたね。我々の学部の時、まだ教養の時代でしたが1年に10回くらいしか行ってないんじゃないかと思いますよ。しかも麻雀の仲間探しに(笑)
といいますのも京大の教育モットーは「自学自習」ですからね。ほったらかしで自分でやれ、なんです。やらなければ自業自得になるから覚悟してやれ、って言ってたんですけど今はそういうおおらかな時代ではないですね。

―その後マスター・ドクターと進学されるんですか?


そうですね、ドクターの3回生の秋に宮崎大学の助手の口が回ってきたので、そちらにいくことになりました。10月31日までが学生、11月1日から宮崎大学農学部の助手です。
そこで9年間お世話になりました。農協さんといろんな仕事をしましたので、県内の様々なところに行きましたね。平成3年3月までいまして、京大農学部に助教授というかたちで戻りました。平成10年に京都大学の独立研究科で情報学研究科が出来たんです。そこに教授で着任しました。農学部も兼担という形で学部には教えに行ってました。

ウシ放牧
宮崎県の諸塚村のスギ植林地でのウシ林内放牧の様子

―ミュージアムとのかかわりということでは如何でしょう。

十数年前から、前の大野館長と協力して京都府教育委員会と連携して出前授業やいろいろやってましたので、そこに関わって毎年博物館と協力して教員の研修講師をやっていました。私は東京に行くとよく上野の科学博物館に行きましたね。出張の合間の時間つぶしにちょうどいいんです。ふらっといけるのはいいですね。

一本締め
情報学研究科の自称「宴会部長」、いつも〆には一本締めの音頭を。

―三重県の印象は如何ですか?

今は津で家内と一緒に暮らしているのですが、坂と風が凄いですね(笑) それ以外は快適に過ごしてます。京都ほど冬の底冷えはないですからね。Miemuもとても立派な博物館だと思いますし、大野前課長が力を入れていろんなことされていたので私もそれを引き継いで行こうかなと思っています。

―守屋館長なりの新しいミュージアム像というのがあればお聞かせ下さい。

博物館はリアルな展示が基本ですよね。これは最低限強化していく必要がある部分ではないかと考えています。バーチャルというのは、それはあくまで補助的なものであって、いかにリアルなものをリアルとして関心を持ってもらうかが重要ですね。そのためには来てもらわないと困るんですけれども(笑)
私自身、情報系を長いこと研究してきましたので、そちらかから来てると分かるんですけど、やっぱりバーチャルというのはあくまでサブ、補助じゃないかな、という感想を持っています。要するに五感で見ないと、ということですね。ディスプレイ越しに3 D と言っても、これは所詮はまやかしなんで、サイズや質感が表現できないですから。やっぱりリアルを感じること、といういうのは生きていくうえでも〈野生の勘〉じゃないけど、大切な〈勘〉性だと思いますね。

―ぜひ新しい分野からミュージアムへの知見を色々ご教示いただければと思います。最後に、パートナーの方との出会いにつきまして教えていただけますか?

家内はフォークダンスサークルで知り合いました。退職したら家内と一緒にソーシャルダンスを、と思ってたんですけどコロナの状況で全然駄目ですね。

―またご一緒に踊れる日が早く来ればよいですね、本日はどうもありがとうございました。

ありがとうございました。

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守屋さんのお話をもとに構成していますが文責はすべて筆者(杉本竜/桑名市博物館)にあります。
[2022/06/19 22:00] | 中の人の履歴書 | page top
【朝日歴博】朝日町出身の俳人「中村古松(こしょう)」と俳句作品展「未来の俳人たち」の紹介
朝日町歴史博物館の片山です。

コロナウイルス対策が一部緩和されましたが、まだまだ県内では毎日多くの感染者が出ています。

暑さで気分はダレてきていますが、館内のコロナ対策は、気を引き締めたいと思っています。

さて、今回ご紹介しますのは、朝日町出身の俳人「中村古松(こしょう)」と俳句作品展「未来の俳人たち」を紹介させていただきます。

中村古松(本名喜三郎)は、明治34年朝日村大字縄生(現朝日町縄生)で生まれ、銀行員、農業のかたわら、俳句雑誌の刊行を続け、昭和54年78歳で逝去しました。

古松は、生涯を町屋川(員弁川)のほとりで過ごし、その自然風土をこよなく愛しました。それは、古松の句に「町屋」が多く登場することにもあらわれています。

そして、中村古松により受け継がれてきた俳句文化を後世に伝えていく事及び、俳句に親しむことにより、日常の中にも感性が芽生え、活き活きとした時間を体得することを目的として、俳句作品展「未来の俳人たち」を実施しています。

俳句展では各賞を設けて表彰を行い、俳句への興味、意欲を高めてもらうきっかけとしています。
毎年、2月に朝日小学校の6年生、7月に朝日中学校3年生が作成した俳句を当館のエントランスにおいて展示しています。

写真1

中学生、小学生それぞれの感性が出て、毎年面白い作品が出てきます。

俳句展を目当てに来館される方も多く、当館の目玉事業の一つになっています。

来月の7月1日(金)から7月31日(日)まで中学生が作成した俳句を展示します。

北勢地方へ来られた際は、お立ち寄りいただけると嬉しいです。

片山 裕之 かたやま・ひろゆき/朝日町歴史博物館
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コロナ禍で 試されている ミュージアム 
[2022/06/12 22:00] | 未分類 | page top
【三重県博】紙面上でお伊勢参りはいかが
あと数日となりました。足をお運びいただいたお客様ありがとうございます。

まだこれからと言う方、どうぞ最終日までお待ち申し上げております

さて、今日はそんな名所にちなんだ「お伊勢参り道中すごろく」のご紹介をします。突然のすごろく紹介ですが、実は当館では「地域と共働した博物館創造活動支援事業」という文化庁事業の一環として、伊勢参りをテーマとして江戸時代における旅を楽しみながら学ぶ教材の開発をしております。このすごろくは令和3年度事業の成果となっています。

すごろく画像

学校への貸出教材として作られたこのすごろくですが、今回の展覧会の内容ともぴったりでは?ということで展示室の最後の部屋でご紹介しております。

私も試作品の段階から遊ばせてもらいましたが、スタートに戻るや一回休みといったすごろくの楽しさはもちろんのこと、それぞれのコマに描かれている名物やコマに止まるとゲットできるその土地の名産が描かれたおみやげカードで江戸時代の三重県について遊びながら知ることができてとても面白かったです。

是非みなさまもこのすごろくを見て実際に遊んで見てください。

こちらがすごろくのPDFです。

こちらはサイコロやコマ、すごろくで使用するおみやげカードです。


名所発見、再発見!を見てからすごろくを楽しむもよし。すごろくをしてから実際に展示を観て、あの場所にはこんな名所があったのかと発見してもらうも良し!

三重県の名所について、是非思いを馳せていただければ幸いです。

甲斐由香里 かい・ゆかり/三重県総合博物館
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すごろく、とても楽しそうですね!
[2022/06/09 22:00] | 未分類 | page top
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