5月、新緑が目に染みる季節となりました。
ここ伊勢志摩地方の田んぼもすっかり田植えが終わり、整然と並んだ稲の苗が心地よい風に揺れています。 さて鳥羽水族館の里山コーナーには、「田んぼ水槽」と呼ばれる水槽があるのをごぞんじでしょうか?実は昨年の秋にもこのブログで「稲刈り」の様子をご紹介したのですが、今回は4月28日に行われた新入社員による「田植え」の様子を紹介します。 ![]() この水槽は、2001年の夏、当時私が担当していた「里山コーナー」に何かシンボル的な水槽を作ろうということで考案されたもので、私にとってはとても思い入れのある水槽です。 余談ながらこの水槽、自宅の裏山にある棚田をヒントに、粘土で原型をつくり忠実に再現したもので、最初の田植えは鳥羽市加茂地区の農家の方を招いてご指導していただきました。 本題の今年田植えを行なったのは、飼育部に配属された新入社員の中から選ばれた新米飼育係の杉若君と山路さん。頭に手ぬぐい、もんぺ姿で田植えを終えた二人の感想は、 ![]() 「思ったよりも難しかった。自分の植えた稲がちゃんと育つといいな。」 「初めてだけど楽しかった、稲の成長が楽しみです。」 と大役を果たしホッとした様子で話してくれました。 今は農家でさえ機械で苗を植える時代。手作業で田植えをした彼らにとってはきっと良い体験になったのではないかと思います。 水族館にお越しの時は、ぜひこの田んぼ水槽へ来て彼らの植えた苗がスクスクと成長している様子をご覧ください。 様子はこちらの鳥羽水族館ホームページでもご覧いただけます。 毎年恒例の新米社員による田植えが行われました | 鳥羽水族館 公式サイト (aquarium.co.jp) (若井嘉人/わかい・よしひと 鳥羽水族館副館長) ***** 新米が新米を育てるのは面白い取り組みですね。すくすくと育ってもらいたいものですね。 |
既に3月27日付けの瀧川さんのブログ記事で紹介いただいた春の企画展
![]() 企画展「名所発見・再発見」会場スナップ 「名所発見・再発見~浮世絵でめぐる三重の魅力~」 を4月16日(土)から6月12日(日)まで開催しております。 ![]() 連携企画 交流展示室会場スナップ また、この企画展と連携して2階の交流展示室では県下の全市町(29市町)のポスター、パンフレット等の展示(入場無料)も行っています[2]。江戸時代に描かれた三重の各地の風景と現在の市町の風景を対比して眺めるのも面白いと思いますので是非交流展示室にもお立ち寄りください。 さて、江戸時代の伊勢参りなどを現在の旅行とのアナロジーで捉えてみるとさしずめ御師は総合旅行業者・コンシェルジュ、浮世絵や名所図会は観光パンフレットやガイドブックに相当するでしょうか。 今から300年間に既に安全・安心な旅を提供するシステムが整っていたことは驚きです。 翻って最近の状況を見てみると、出発地と目的地をキーワードとしてWeb検索を行うと、交通機関のダイヤからホテルの空き状況、近隣のおすすめ観光スポットの紹介まで、多種多様な情報が簡単に入手できるようになっています。海外旅行も含め、ひとたび旅行の目的地とスケジュールを決めれば交通機関やホテルの予約などを自宅に居ながらにしてインターネットを使って簡単に行え、旅行に出かけるハードルは格段に低くなっています。一方で、現在では点と点を結んだ旅が大半となり、途中の風景を楽しんだり地元の人との触れ合いを楽しんだりする機会は失われてきたように思います。 江戸時代には徒歩で1ヶ月以上もかかる旅に出た訳ですが、そのモチベーションはどこにあったのでしょうか。見知らぬ土地を訪ねてみたいという欲求は時代を越えて人が備えている性(さが)なのでしょうか。旅行自粛が求められている昨今ですが、まずは企画展の浮世絵や名所図会、あるいは市町のポスター等をご覧いただき江戸時代の人々の旅行に対する思いを感じとり、新型コロナ感染終息後には是非とも三重県内はもとより、見知らぬ土地への旅行に出かけられてはいかがでしょうか。 [1]URL https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/p0031300070.htm [2]連携企画「実はそれ、ぜんぶ三重なんです!」~MieMuで魅力再発見!令和版三重の旅~ ***** コロナの中でなかなか旅行にいけない気分をぜひ県博の展覧会で解消してください。 |
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