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【海博】大漁旗 ―旗に込めた海民の絆―
鳥羽市立海の博物館の平賀です。
現在開催中の企画展「大漁旗 ―旗に込めた海民の絆―」について紹介させていただきます。

鳥羽市立海の博物館では、7月10日(日)まで企画展「大漁旗 ―旗に込めた海民の絆―」を開催しています。

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一般には「大漁旗」と呼ばれていますが、漁村では「フライキ」、「フラフ」などの名称で呼ばれることが多く、地域によっては「福来旗」と縁起のいい文字で書き表さられることもあります。語源は、オランダ語のフラグ英語のフラッグがフライキ、フラフになったとする説が有力です。

さて、新造船の進水式に親戚や知人から贈られて掲げられる大漁旗は、正月には漁船に飾られ、また漁村の催しもの会場などを賑わせてくれています。

大漁旗の前身は、大漁をいち早く陸上で待つ人々などに知らせる「印旗」が始まりで、漁船の動力化が普及してくる大正から昭和初期になって、縁起のいい「熨斗」の図柄に「大漁」や「○○丸」と船名が入る横位置の旗に変わり、その後「恵比寿」、「鯛、「宝船」などの吉兆の図柄に船名や贈り主を染め上げた色鮮やかな豪華なものに発展してきます。

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展示では、大漁旗の歴史、製造方法の使う用具類、図柄の特徴、現代的な大漁旗の利用方法などについて概説的に紹介しています。また海の博物館が大漁旗を裁断して制作販売している「布マスク」、「サコッシュ」、「スマホケース」、「カードケース」、「がま口」、「髪ゴム」などの大漁旗グッズも展示、7月10日締め切りで大漁旗コンテスト「大漁旗をかいてみよう!」を一般公募しています。

場所:鳥羽市立海の博物館内 特別展示室 入場料:海の博物館の入館料金でご覧いただけます。

(平賀大蔵 ひらが・だいぞう/鳥羽市立海の博物館)
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今回は先に原稿をいただいていたのですが、こちらの不手際でアップロードが遅れまして失礼いたしました、謹んでお詫び申し上げます。ぜひ鳥羽で大漁旗をお楽しみくださいね。グッズも楽しそう!
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[2022/05/31 22:00] | 未分類 | page top
【鳥羽水】鳥羽水族館恒例、新米社員による田植えが行われました!
5月、新緑が目に染みる季節となりました。
ここ伊勢志摩地方の田んぼもすっかり田植えが終わり、整然と並んだ稲の苗が心地よい風に揺れています。
 
さて鳥羽水族館の里山コーナーには、「田んぼ水槽」と呼ばれる水槽があるのをごぞんじでしょうか?実は昨年の秋にもこのブログで「稲刈り」の様子をご紹介したのですが、今回は4月28日に行われた新入社員による「田植え」の様子を紹介します。

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この水槽は、2001年の夏、当時私が担当していた「里山コーナー」に何かシンボル的な水槽を作ろうということで考案されたもので、私にとってはとても思い入れのある水槽です。

余談ながらこの水槽、自宅の裏山にある棚田をヒントに、粘土で原型をつくり忠実に再現したもので、最初の田植えは鳥羽市加茂地区の農家の方を招いてご指導していただきました。

本題の今年田植えを行なったのは、飼育部に配属された新入社員の中から選ばれた新米飼育係の杉若君と山路さん。頭に手ぬぐい、もんぺ姿で田植えを終えた二人の感想は、

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「思ったよりも難しかった。自分の植えた稲がちゃんと育つといいな。」

「初めてだけど楽しかった、稲の成長が楽しみです。」

と大役を果たしホッとした様子で話してくれました。

今は農家でさえ機械で苗を植える時代。手作業で田植えをした彼らにとってはきっと良い体験になったのではないかと思います。
水族館にお越しの時は、ぜひこの田んぼ水槽へ来て彼らの植えた苗がスクスクと成長している様子をご覧ください。

様子はこちらの鳥羽水族館ホームページでもご覧いただけます。
毎年恒例の新米社員による田植えが行われました | 鳥羽水族館 公式サイト (aquarium.co.jp)

(若井嘉人/わかい・よしひと 鳥羽水族館副館長)
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新米が新米を育てるのは面白い取り組みですね。すくすくと育ってもらいたいものですね。
[2022/05/22 22:00] | 未分類 | page top
【斎宮歴博】ゴールデンウイークを終えて

③展示風景(中央手前は明治3年製双頭レール)

毎日、昼休みには斎宮歴史博物館周辺を散歩しておりますが、斎宮跡の史跡内には近鉄電車が走っており、散歩中に必ず近鉄特急に出会います。

平日昼時の近鉄特急は、斎宮駅を通過する頃には乗客はまばらですが、ゴールデンウイーク中はたくさんの人影が見られました。

「最近、県外への旅行は行っていないな・・・」
「私が行っていないということは、県外からの来館者も少なくなるのも仕方ないな・・・・」
「よし、夏にはどこかへ旅行しよう・・・」

などと思いながら散歩をしています。

令和4年度に入り、まだまだ、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は、高止まりをしておりますが、まん延防止等重点措置、緊急事態措置もなく、来館者は少しずつ戻ってきた感があり、ゴールデンウイーク中には多く方に来館いただきました。しかしながら、団体客だけは戻っていない状況が続いています。

現在、当館では春季企画展「鉄道模型で見る懐かしの鉄道輸送」を開催しております。

①斎宮 春季企画展 三重の文化

② 近鉄貨車車票(吉野神宮駅発吉野口駅経由国鉄総武線錦糸町駅行き)

令和4年度は、鉄道開通150周年にあたることから、かつて日本経済や私たちの日常生活を支えた鉄道の物流に焦点を当て、鉄道模型や実物資料などで紹介する展示をしております。

春は社会見学等も多く子供たちにわかりやすい展示、また、鉄道好きの方にも来館いただき、斎宮跡のファン層を広げていきたいとの思いもあります。

ほとんど展示されたことのない双頭レールなども展示しておりますので、興味のある方はこの機会にご来館いただければと思っています。

③展示風景(中央手前は明治3年製双頭レール)

最後に、6月5日(日)に規模は少し縮小されますが、3年ぶりに斎王まつりが開催されることになりました。斎王も決まり準備が進められていますので、こちらも期待していただければ思います。

(大西宏明 おおにし・ひろさき/斎宮歴史博物館)
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斎王まつりの復活、おめでとうございます。斎宮歴博周辺の散策もみなさまぜひお楽しみください。
[2022/05/15 22:00] | 未分類 | page top
【松阪】三井高利生誕400年三井家発祥の地 豪商のまち松阪めぐり
◎旧長谷川治郎兵衛家・旧小津清左衛門家・原田二郎旧宅の館長の松本吉弘です。
本年度三重県博物館協会の理事としてお世話になります。よろしくお願いします。

1長谷川前ウォーキング

今年は、三井高利生誕400年です。
5月3日に、JR東海が「三井高利生誕400年三井家発祥の地 豪商のまち松阪めぐり」としてさわやかウォーキングを企画してくれました。

2長谷川矢印
旧長谷川治郎兵衛家でも三井家関係のミニ展示を行いました。

原田二郎旧宅にもコースの近くということで約2時間に200余の人に入館していただきました。

3原田玄関ウォーキング

4原田庭ウォーキング0001
武士のまちとしての側面もあります。

松坂城跡を巡る堀の表示が展示してあります。熱心に見学していただきました。

5原田東屋甲冑
さて、原田二郎旧宅では、5月から日曜日と祝日に甲冑体験を始めました。5月5日は子どもの日でした。

5人の小学生が体験をしてくれました。

6原田玄関集合甲冑
初め恥ずかしがっていた子どもたちも、町を歩くとすっかり、武将気分です。

7御城番前甲冑0001
観光客に呼びとめられてポーズを取ってカメラにおさまったりしました。

8石垣前甲冑0001
松坂城跡を巡っての楽しい1時間余りの体験はあっという間に過ぎました。良い思い出ができたことでしょう。

私たちは、展示だけでなく市内の様々な団体と協働して体験的な事業も企画しています。

今後ともよろしくお願いします。

(松本吉弘 まつもと・よしひろ/旧長谷川治郎兵衛家・旧小津清左衛門家・原田二郎旧宅)
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今年のGWは天候もよく、子どもたちにも良い思い出となったことと思います。かわいらしい甲冑姿ですね。
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お子さんの写真は保護者および本人に了解をもらっている旨、松本さんより連絡いただきましたので写真を差し替えました。(0509追記)
[2022/05/09 23:30] | 未分類 | page top
【三重県博】企画展「名所発見・再発見」始まりました
既に3月27日付けの瀧川さんのブログ記事で紹介いただいた春の企画展

企画展
企画展「名所発見・再発見」会場スナップ

「名所発見・再発見~浮世絵でめぐる三重の魅力~」

を4月16日(土)から6月12日(日)まで開催しております。

交流展示
連携企画 交流展示室会場スナップ

また、この企画展と連携して2階の交流展示室では県下の全市町(29市町)のポスター、パンフレット等の展示(入場無料)も行っています[2]。江戸時代に描かれた三重の各地の風景と現在の市町の風景を対比して眺めるのも面白いと思いますので是非交流展示室にもお立ち寄りください。

さて、江戸時代の伊勢参りなどを現在の旅行とのアナロジーで捉えてみるとさしずめ御師は総合旅行業者・コンシェルジュ、浮世絵や名所図会は観光パンフレットやガイドブックに相当するでしょうか。

今から300年間に既に安全・安心な旅を提供するシステムが整っていたことは驚きです。

翻って最近の状況を見てみると、出発地と目的地をキーワードとしてWeb検索を行うと、交通機関のダイヤからホテルの空き状況、近隣のおすすめ観光スポットの紹介まで、多種多様な情報が簡単に入手できるようになっています。海外旅行も含め、ひとたび旅行の目的地とスケジュールを決めれば交通機関やホテルの予約などを自宅に居ながらにしてインターネットを使って簡単に行え、旅行に出かけるハードルは格段に低くなっています。一方で、現在では点と点を結んだ旅が大半となり、途中の風景を楽しんだり地元の人との触れ合いを楽しんだりする機会は失われてきたように思います。

江戸時代には徒歩で1ヶ月以上もかかる旅に出た訳ですが、そのモチベーションはどこにあったのでしょうか。見知らぬ土地を訪ねてみたいという欲求は時代を越えて人が備えている性(さが)なのでしょうか。旅行自粛が求められている昨今ですが、まずは企画展の浮世絵や名所図会、あるいは市町のポスター等をご覧いただき江戸時代の人々の旅行に対する思いを感じとり、新型コロナ感染終息後には是非とも三重県内はもとより、見知らぬ土地への旅行に出かけられてはいかがでしょうか。

[1]URL https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/p0031300070.htm
[2]連携企画「実はそれ、ぜんぶ三重なんです!」~MieMuで魅力再発見!令和版三重の旅~
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コロナの中でなかなか旅行にいけない気分をぜひ県博の展覧会で解消してください。
[2022/05/01 22:00] | 未分類 | page top
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