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【三重県博】名所発見!再発見!
前回、締め切りを忘れておりました…。

今回は心を入れ替えて臨みましたが、やはり間際になってしまいました…。嗚呼…。

さて、まん延防止も解除となり、春を迎える観光地はもとの賑わいを取り戻しつつあります…、みたいなことをテレビや新聞は報道しています。

そんな中、まさにその状況に鑑みたような展覧会が始まります。三重県総合博物館では、4月16日(土)から6月12日(日)までの間、第30回企画展「名所発見、再発見!~浮世絵でめぐる三重の魅力~」を開催いたします。

チラシ01

以下は、担当者である当館星野学芸員のコメントです。

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現在でも景勝地や名所をめぐることは旅・レジャーの目的となるなど、旅の大きな要素となっています。

江戸時代の人々にとっても、名所めぐりは旅の楽しみの一つでありました。

江戸時代の三重は、江戸と京・大坂を結ぶ大動脈である東海道を多くの人々が往来した地であり、東海道を経由し、全国から伊勢神宮をめざし人々が集った地でもありました。
人々の関心を反映し、さまざまな地誌を参考にして編纂された挿絵入りの地誌兼旅行ガイドブックともいうべき

『伊勢参宮名所図会』や『東海道名所図会』

など、三重の名所を掲載した書籍が刊行されました。

さらに、歌川広重作保永堂版「東海道五十三次之内」を筆頭とする街道風景を描いた浮世絵、二見浦などの名所を題材とした浮世絵が多数出版されました。

地誌や名所図会、浮世絵に紹介された三重をはじめとする各地の名所のなかには、現在でも観光地として知られるものがある一方で、今では訪れる人も少ない所も少なくありません。

また、伊賀の敵討ちや古市の刃傷事件など、江戸時代ならではの事件、また、お伊勢参りブームや漢文学者の活動など、社会状況を背景に生み出された名所もありました。

本企画展では、現在の観光にも大きな位置を占める三重の名所の魅力を、浮世絵や地誌を通して、その特徴、成り立ち、普及・影響などからさぐります。
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本展は、2020年に展示準備が整いながら、コロナウイルス感染症拡大に伴い中止となった展覧会の構成を一部変更して企画したものです。新たな資料を何点か追加するなどして内容も充実させています。

展示を観てから名所を訪ねるもよし、また、その逆もよしかと思います。

瀧川和也(たきがわ・かずや/三重県総合博物館)
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暖かくなってきましたので皆様もぜひ感染拡大防止に留意しつつ行楽の春をお楽しみくださいね。
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[2022/03/27 22:00] | 未分類 | page top
【海博】海の博物館が「JIA25年賞」を受賞
鳥羽市立海の博物館の平賀です。

海の博物館が「JIA25年賞」を受賞したことを紹介させていただきます。

2月9日、公益社団法人日本建築家協会(JIA)が2021年度の第21回「JIA25年賞」を海の博物館が受賞したと発表しました。

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「JIA25年賞」は、建築が未来に向けて生き続けていくために、多様化する社会の中で建築が果たすべき役割を確認するとともに、次世代につながる建築のあり方を提示することが目的に創設され「25年以上の長きにわたり、建築の存在価値を発揮し、美しく維持され、地域社会に貢献してきた建築」を登録・顕彰するという賞です。

第21回への応募は、29作品、その中から作品所在地の支部審査を経て24作品を「JIA25年建築選」として登録、この中から「JIA25年賞」を選定するために8作品の現地審査を行い、5作品を選定したことを発表しました。昨年12月10日、3名の審査委員が来館、収蔵庫内の5つの部屋の湿度状態や展示棟の外壁状況なども含めて細かな現地審査を受け、その結果を待っての受賞です。もちろん三重県内では初めての受賞です。

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審査委員長の六角正治さんは「JIA25年建築賞は、竣工後25年以上たった建築の中から選ばれるものです。選考基準を満たすためには建築の所有者、設計者、施行者、管理者が力を合わせて建物に関わることが欠かせません。すべての関係者から長く愛され使い続けられて初めて得られる賞なのです。JIA25年建築賞は、文化や環境を大事にする私たちの社会にとって、今後ますます注目される建築賞になるのではないでしょうか。」と述べています。

海の博物館(現鳥羽市立海の博物館、三重県鳥羽市)は、建設主:東海水産科学協会、設計者:内藤廣/内藤廣建築設計事務所、施行者:収蔵庫は鹿島・大種建設(木工事)、展示棟は大種建設、竣工年月:収蔵庫は89年6月、展示棟は92年6月。

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収蔵庫は竣工から33年8か月、展示棟は同じく29年8か月経った建築物になります。海の博物館にご来館のときは、木造の展示棟、プレキャストコンクリート造りの収蔵庫など、建築もお楽しみください。
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長きに渡って愛されてきたことがわかる意義深い受賞ですね、おめでとうございます!
[2022/03/20 22:00] | 未分類 | page top
【鳥羽水】トバスイ春の企画展の案内 「ラッコ」
皆さんこんにちは!鳥羽水族館副館長の若井です。

今回は水族館ファン必見のラッコのイベントについてお知らせをしたいと思います。

でもその前に少しラッコについてお話しさせてください!

①ラッコの「キラ(左」と「メイ(右)

ラッコは海の生活に適応したカワウソの仲間です。

分布としては、千島列島からアユリューシャン列島、アラスカ沿岸、そしてカリフォルニアにかけての沿岸域に生息しています。

彼らは冷たい海に棲んでいることから体温維持のため、上質の毛皮を身にまとい一日に食べる餌の量は4㎏~5kg、これは体重の20~25パーセントにもなります。彼らが食べる餌としては、ウニやカニ、貝類などの海底にすむ生物がほとんど。

皆さんがよくご存じのとおり、ラッコは水面に浮かびながら仰向けになって食事を行います。硬い貝殻を割る時は、あらかじめ海底から拾っておいた石を使いおなかの上で「カン、カン…。」と叩いて割ることはよくご存じですよね。

実は他の水族館で、過去にこの石をラッコに持たせたところ水槽のガラスを割ってしまったことがあり、以降貝は身だけを与えるようになりました。その他にも水族館ではイカ、タラ、カジキなどを与えており、我々から見るとずいぶんと贅沢な動物です。

さてこのラッコ、日本人にはなぜか大人気なのですが、その秘密はその容姿だけでなく愛くるしい“しぐさ”にあるような気がします。

ラッコは、その生命線ともいえる体毛の手入れを毎日欠かしません。万一毛が餌の脂等で汚れてしまうと、毛の隙間に体温を維持するための空気の層がつくれなくなるからです。ちなみにその毛の密度は、なんと1平方センチメートルあたり10万本。全身で約8億本にもなります。

ラッコは食事が終わると毛づくろいに時間をかけます。両手で自分の全身の毛をゴシゴシともみ洗いをしたり、息を吹きかけて乾かしたり大忙しです。よくある質問で、「ラッコはよく体をポリポリ搔いていますが、ノミでもいるのですか?」と聞かれます。この動作は彼らにとって体がかゆいのではなく、寒さから命を守るための大事なルーティンワークだったのです。
 
前置きが長くなりましたが本題に入りましょう!

鳥羽水族館では来る3月19日(土)から5月5日(月)まで

「キラ☆メイて! トバスイ春のラッコ祭り」

を開催します。ラッコについて学べるコーナーや、鳥羽水族館の歴代ラッコの写真展をはじめ、期間中はレストランで「メイちゃんとキラちゃんのカレー」が登場します。また、企画展に合わせて鳥羽水族館オリジナルの新作ラッコグッズも多数販売していますのでラッコ好き方々はぜひご来場ください。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

②期間限定「メイちゃんとキラちゃんのカレー」

③オリジナルラッコ商品の一部

企画展のリンクはこちら
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ラッコかわいいですよね。あの石で貝を割る姿は良く図鑑でみましたが、水族館だとムツカシイんですね。ガラス割られるとは…ラッコちゃんにも意外な一面が…。
[2022/03/13 22:00] | 未分類 | page top
【桑名市博】刀剣幻想曲・再演
ご無沙汰しております。桑名市博物館元職員のK.Mでございます。
桑名市博物館では本日より、今年度最後の展覧会 刀剣幻想曲・再演(とうけんふぁんたじあ・あんこーる) と特集陳列の桑名市出土品展-地面の下には何がある?- が始まりました。


刀剣幻想曲・再演は、令和元年度に企画されながら、開幕前に新型コロナウイルス感染症が流行し始め、結果日の目を見ることが叶わなかった刀剣幻想曲をベースにした展覧会です。担当のS.Hさんにとっては桑名市博での最後の展覧会となります。ということで、2年前展覧会のサポートをしておりました、不肖・Kが駆け足で刀剣幻想曲・再演の簡単なご紹介をさせていただきます。
「第1楽章 伊勢国ゆかりの刀剣」「第2楽章 個性あふれる刀剣」では桑名宗社蔵の太刀正重2振(ともに三重県指定文化財)・宗次の刀(桑名市指定文化財)を含め、刀剣類を35件出品しています。また、拵や刀装具の関係をご覧いただきやすくするため、拵をバラして展示したコーナーがございます。
「第3楽章 刀装具と押型」では27件の刀装具等と特別出品の押型をご覧いただけます。また、幻となった刀剣幻想曲展の一部を紙上開催という形で掲載していただいた中日新聞の記事もパネルで紹介されています。
今回の展覧会中、個人的なイチオシ(?)は「小柄 鶴亀の図(穂 六歌仙図)」(個人蔵)です。正しくは、その刀身。
刀剣展示で小刀をご覧になったことがある方でしたら、小刀のサイズ感は何となく分かっていただけることかと思います。その刀身に六歌仙図と何やらいっぱいの文字が刻まれている様子……
誇れるほどのものは何もございませんが、これでも古典文学(しかも中古)を専攻してきた身、「六歌仙」と聞いては引き下がれません。
良いでしょう、伊賀守藤原金道! その挑戦状、受けて立とうではありませんか!!
ということで、ミニオンズ身長(四捨五入して150cm)でケースを覗き込むのに苦労しつつ、単眼鏡なし、閲覧室外でカンペ(電子書籍の『古今和歌集』)を確認しながら和歌の特定に成功しました。すごい達成感!!
ちなみに、①6行・6首の和歌②六歌仙図③六歌仙の名前④菊花文と「雷除」⑤刀工の銘、が刻まれていました。あ、違いました。⑥「六哥仙」の文字も刻まれていましたね。
以前、百人一首を一口に一首ずつ刻んだ小刀を拝見して圧倒されましたが、いや小刀に6行刻むとか……定信の細写もなかなかアレですが、これまたいみじき小刀でしたね。
という話をS.Hさんにしたところ、「いや、単眼鏡なしであれを読むKさんも割と尋常じゃありません」というようなことを言われました。確かに、桑名市博の展覧会で今日ほど単眼鏡が欲しかったことはありませんでしたけれども……解せぬ。


刀剣ファンの方もだんだん増えてきましたが、一方で接点のない方にとって刀剣鑑賞とは取っつきにくいものなのではないでしょうか。(かつての自分自身が、どこをどう鑑賞すれば良いのかまったく分からなかった勢なので…)
2年前。流行を始めた新型コロナウイルス感染症の前に、開くことができなかった刀剣幻想曲は、当館流の「刀剣鑑賞事始め」といった一面があり、それは今回の刀剣幻想曲・再演にも受け継がれています。
「刀剣鑑賞ってなんだか難しそう……」そんな風にお思いの方にも、あまり構えずにご覧いただける展覧会になっているのではないでしょうか。

花も綻び、気候的にはお出かけしやすい季節になってまいりました。
刀剣幻想曲・再演と特集陳列 桑名市出土品展は5/8までの予定です。よろしければ、お気軽にお寄りください。
[2022/03/12 22:35] | 未分類 | page top
【斎宮歴博】~斎王・斎宮って何?~
斎王・斎宮について、皆さんは歴史の教科書で習ったことがありますか?

残念ながら、中学校や高校の歴史の教科書には出てきていないと思います。

歴史に興味のある方は、斎宮(跡)について深い知識を得ようと斎宮歴史博物館に来館していただいていますが、斎宮・斎王は聞いたことはあるが、中身はわからないという方も多くみえます。

そういう人にこそ、斎王・斎宮を理解していただく必要があると思っています。

私も説明する時は、

「斎宮(跡)は、歴代天皇に替わって伊勢神宮に仕えた斎王の宮殿とその事務を取り扱う斎宮領という役所の跡で、飛鳥時代から南北朝時代までの約660年間続いたとされています。」

から始めています。

斎宮の制度・歴史については、当館のホームページや当館へ来ていただくということで、説明は省かせていただきますが、わかりやすく説明し理解をしていただくというのは非常に重要であり、難しいことだと思っています。

そこで、当館では、まず、映像展示を見ていただき、斎宮の魅力に触れるきっかけにしていただき、その後、展示物を見ていただくような流れを基本としています。

その映像展示がわかりやすく説明するものであり、ガイダンス的な役割も果たしています

①群行(別れの御櫛)
① 写真 斎王群行

②幻の宮(貝覆い)
② 写真 今よみがえる幻の宮

現在は、斎王とはどんな人だったのかを紹介する「斎王群行」と斎宮とはどういうところだったのかを紹介する「今よみがえる幻の宮」二種類の映像を公開していますが、「今よみがえる幻の宮」に代わる新しい映像を鋭意制作中です。

3月26日(土)の公開に向け、最後の追い込みをかけて制作しているところです。

まだまだ、コロナ禍で苦しい状況が続いていますが、新映像展示を入館者が増える起爆剤にしたいと思っています。
とりとめのない文章で、結局、新映像展示の宣伝になってしまいました。・・・・・
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新しい映像展示も楽しみですね。春めいてきましたのでぜひ斎宮跡を散策してみてください。
[2022/03/06 22:00] | 未分類 | page top
【三重県博】トピック展「学芸員の一押し資料」開催中
三重県総合博物館(MieMu)では、1月29日(土)~4月6日(水)まで、トピック展「学芸員の一押し資料」を開催しています。

ポスター

このトピック展では、日ごろの調査・研究の成果や収集した資料などから学芸員が是非皆様に見ていただきたいと思うものを厳選し、展示ケース一人一台分で分かりやすく展示しています。

また、ケース横には学芸員の似顔絵やメッセージなども併せて展示しています。ぜひご覧ください。

私は着任してまだ1年に満たないのでこれはという資料を持ち合わせおりませんが、このトピック展に合わせて小掠学芸員に作成いただいたMieMuに関するクイズをWebページやスマホでチャレンジできるページを作成しました。

内容は基本展示室やミュージアムフィールドに展示してある資料に関連したクイズを4択形式で解答するもので、「一般向け」「子ども向け」の2種類についてそれぞれ10問用意しています。

各設問についての正解とその解説を載せたページも用意しています。このクイズはMieMu@ほーむのページにもリンクを貼っています[2]。

また、以下のQRコードを読み取るとスマホからも閲覧できるようにしています。ぜひ一度チャレンジしてみてください。
QR.jpg

このクイズシステムはHTML5、jQuery(JavaScriptのライブラリー)およびcss(カスケードスタイルシート)を組み合わせて、テキストエディタでソースコードを書きました。

自作のシステムですが、問題文、選択肢、解説文書および画像などがあればどんなテーマでも簡単にクイズアプリが作成できるようにしています。今後、色々なクイズページを作っていこうと思っています。

守屋和幸(もりや・かずゆき/三重県総合博物館)
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クイズはおうちから出来ますのでぜひチャレンジしてみてくださいね。
[2022/03/02 22:00] | 未分類 | page top
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