前回は展示ケース内の照明についてお話しましたが、今回は展示ケースの外の照明についてお話します。
展示室全体を照らす場合、天井灯(てんじょうとう)と呼んでいる照明を点灯し、部屋全体をまんべんなく明るくします。展示ケース内に入らない大型の資料をピンポイントで照らす場合、天井にある配電レールを使用してスポットライトを取り付け、対象物にきちんと光があたるよう角度を調整したり、照明の強さをリモコン操作で調整したりします。 三重県総合博物館にお越し頂いた方はご存知と思いますが、当館の企画展示室は天井が高く、天井高は6メートルもあります。スポットライトをつける際は、その6メートル高の天井付近まで接近する必要があるのです。 6メートルの天井に取り付けるためにどうするのか。そこで登場するのが高所作業車です。 ![]() 三重県総合博物館で使用している高所作業車は自走式高所作業車と呼ばれるもので、昇降機構がシザーズ式と呼ばれる菱形のアームを伸縮させるものです。 高所作業車の運転操作には資格が必要となり、MieMuが所有しているタイプのものは「高所作業車運転特別教育」を修了する必要があります。 また、高所作業ですので作業中はヘルメットと着用が義務付けられており、そこだけ見ると企画展示室の中なのか?といった様子です。(みえむ@ほーむに高所作業車が動く様子がありますので、良ければご覧ください) 企画展が始まる前と閉幕してからしか出番がありませんし、もし期間中の作業が発生しても閉館後となるため、来館者の方が高所作業車を目にする機会はほとんどありませんが、三重県総合博物館にお越しの際は天井にある照明を見て、「ああ、高所作業車で取り付けたんだな」「あちこちにライトがあるという事は展示室内を高所作業車で動き回ったのだな。」と、作業の様子にちらっとおもいをはせていただければと思います。 (甲斐由香里 かい・ゆかり/三重県総合博物館) ***** ぜひ動画の方もご覧いただき、博物館の知られざる業務を知っていただけると幸いです。 |
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