はじめまして。旧長谷川治郎兵衛家・旧小津清左衛門家・原田二郎旧宅の3施設を管理運営業務しているNPO法人松阪歴史文化舎の扇野(おぎの)です。
今回は3施設を簡単に紹介したいと思います。少しでも魅力が伝われば幸いです! ○旧長谷川治郎兵衛家 長谷川家は、数多い江戸店持ち伊勢商人の中でも、いち早く江戸へ進出し、成功をおさめた松阪屈指の豪商です。長谷川家3代当主政幸を創業の祖とし、後には江戸の大伝馬町一丁目に5軒の出店を構える木綿商となります。 江戸での成功で、松阪の本宅(魚町)は徐々に敷地を広げ、増築・新築を繰り返しながら大きな屋敷になりました。平成27年に庭園を含む敷地が三重県指定史跡及び名勝に、翌年には建物群が国指定重要文化財として指定を受けています。 ![]() (庭園) ![]() (大蔵) また長谷川家には、創業以来大切に保管されてきた商業資料、古文書、蔵書類及び商業関係の諸道具、生活用具など、膨大な資料が良好な状態で保存されており、それらの資料を基に年に4回の企画展示を開催しています。(【宣伝】現在は、近代茶道の先駆者と称される裏千家11世 玄々斎と長谷川家の交友関係を紹介する企画展示「長谷川家と玄々斎」(開期9/15~12/19)を開催しています!) その他にも長谷川家では、呈茶サービスや子ども華道教室、機織り体験などを行なっています。 ○旧小津清左衛門家 小津家も江戸へ進出し、成功をおさめた松阪屈指の豪商です。小津は江戸の大伝馬町で小津屋紙店を創業し、その後、伊勢屋木綿店、大橋屋紙店を開業しました。 小津家も長谷川家と同様に商人として成功するのに合わせ、本宅(本町)は敷地を広げ、増築を繰り返し、大きな屋敷になりました。なお、現在建物は「旧小津家住宅」として三重県指定有形文化財(建造物)に、土地は「旧小津清左衛門家」として松阪市指定史跡になっています。 ![]() (小津家外観) ![]() (小津家内観) また小津家には、商業資料、古文書、蔵書類及び商業関係の諸道具、生活用具などの伊勢商人の繁栄の証を今に伝える貴重な資料が残されており、それらの資料を基に松阪商人に関する展示や松阪に関連した企画展示を年に4回開催しています。(【宣伝】現在は、小津清左衛門家 歴代当主の篤い神仏に対する信仰心や小津家で執り行われてきた年中行事を紹介する企画展示「小津家の信仰と年中行事」(開期9/29~1/9)を開催しています!) その他にも小津家では、子ども茶道教室などが行なわれています。 ○原田二郎旧宅 原田二郎は、明治から大正にかけての実業家です。大正9年には公益財団法人原田積善会を設立し、全国での社会貢献活動の他、松阪市でも、初めての学校給食の実施、病院の建設、桜の植樹運動、大学生への奨学金の支給などに貢献しています。 原田二郎の生家(殿町)は、旧紀州藩同心の居住した武家屋敷で、平成22年には松阪市指定有形文化財(建造物)に指定されています。 ![]() (原田二郎旧宅外観) また、原田旧宅では、武士の町「同心町」に焦点を当てた展示や原田二郎関連の企画展示を年に3回行なっています。(【宣伝】現在は、紀州藩と松阪の関係を紹介する企画展示「紀州藩と松坂」(開期8/18~12/12)を開催しています!) その他にも原田旧宅では、手作り甲冑の着付け体験など行なっています。 3施設ともそれぞれ特色が有り、大変魅力的です! 3施設の日々の様子や企画展示の情報は館長ブログやInstagramにて紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください! (扇野耕多 おぎの・こうた/NPO法人松阪歴史文化舎) ----- 行楽の秋です。ぜひ皆さまも松阪をぶらりと楽しんでみてはいかがでしょうか。 スポンサーサイト
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【亀山歴博】祝!国史跡 鈴鹿関
みなさま、はじめまして。亀山市歴史博物館の中川と申します。 こちらのブログ、私は読み専門でした。当館の小林に感想を述べていたところ、 「そうや、秋の展示、ブログに書いたらええわ~。」 となり、広報活動のチャンスをもらいました。 そのようなわけで、楽しく拝読していたところから、一転、書き手デビューすることになった次第です。 徹頭徹尾、展示の宣伝で恐縮ですが、暖かく読んでいただけるとありがたいです。 さて、今回、ご紹介しますのは、第37回企画展 国史跡指定記念「鈴鹿関-奈良時代の国家戦略-」です。 ![]() 詳しくはこちらをご覧ください。 鈴鹿関跡は、今年の3月26日に国の史跡に指定されました。亀山市では、昭和56年の正法寺山荘跡指定以来の史跡指定となりました。 さて、この鈴鹿関。何かと申しますと、律令で定められた三関のひとつで、主に奈良時代に実動した交通管理施設・軍事防衛施設です。 ![]() 令義解巻5(亀山市歴史博物館蔵) 今回の展示では、15年間におよぶ発掘調査・研究の現状と課題をお知らせしています。 もちろん、鈴鹿関跡から出土した資料も展示しています。 ![]() 〈市指定文化財〉重圏文軒丸瓦(鈴鹿関跡) 亀山市蔵(まちなみ文化財グループ所管) ![]() 〈市指定文化財〉軒丸瓦・軒平瓦(鈴鹿関跡) 亀山市蔵(まちなみ文化財グループ所管) なかでも今回史跡に指定された、鈴鹿関の西端に設けられた築地塀をお知らせしたいと思います。 築地塀は土を突き固めた版築の壁の上に、瓦を葺いてつくられています(強度はコンクリート並みといわれています!)。 延喜式に基づいて考えると、その高さ約3.9m。とっても高いのです。 それを体感いただくべく、実寸大の築地塀をつくってみました。 ![]() ターポリンシート といっても、ターポリンシートです。しかしメリットも。 持ち運べます!いつでも、どこでも築地塀が体感できるというわけで、展示の後も、色々な場所で築地塀を広められれば、と思っています。 そのほか、古代の鈴鹿郡のさまざまな施設を検討することから、鈴鹿関の実像に迫る試みも行っています。 なお、担当者として個人的には、律令国家の設けた施設なんだ!ということをお伝えすべく、令義解をプッシュしました。 鈴鹿関といえば、律令!日本書紀!続日本紀!、同時代の史料に登場する日本古代史を代表する遺跡であることをお伝えしたい、という熱い想いを込めました。 というわけで、長々ご紹介してきました企画展「鈴鹿関」。会期は12月12日(日)までです。お楽しみいただけると幸いです。 最後に、内容をチェックし終えた当館の小林からも一言。 学芸員の中川由莉は、亀山市歴史博物館に来て8年目。それまでは20年ほど、奈良時代の仏教政策や入唐求法僧を研究していたとのこと。文献史料解釈と発掘調査成果との相互補完による方法論を駆使しながらも、古代の文献史料に対する熱い思いは一入です。 では、亀山市域にかつて存在していた古代の鈴鹿関とはどんなものだったのかを、どうぞご覧ください。 (中川由莉 なかがわ・ゆり/亀山市歴史博物館) ***** 中川さん、熱気のこもったブログありがとうございました。この熱気を感じるために皆さんぜひ鈴鹿関の展覧会をお楽しみください。 |
こんにちは。桑名市博物館の元職員にして、同館の自称・勝手にこうほう部隊員・K.Mでございます。
さてさて、先ほど市長記者会見が行われ、ようやく情報解禁と相成りました。 刀剣乱舞-ONLINE-の刀剣男士 桑名江のパネルが、当館で重要文化財の桑名江展示期間中、玄関でみなさまをお出迎えします!! 桑名市の公式Twitter ここまで情報が出なくて「来ないのか…」と思っていた方、「来るの? 来ないの?」と気になっていた方、「いやいや来るでしょ!」と信じていた方、「もはやどっちでも良いから情報早よ!」とじれていらっしゃった方……さまざまだと思いますが、桑名江さん(等身大パネル)来 ま ー す ! 当館といたしましては村正2で千子村正のパネルが来て以来ですね。(最終日閉館後、村正さんのパネルとロビーの短刀を一緒に写メったのも良い思い出です。)当時は妙法村正の出品と、村正さんのパネルが出ることを8月下旬の市長記者会見で情報解禁でした。村正2は10月6日始まりだったので、今回よりはお披露目時期が早かったのだったかと思います。 ちなみに、博物館(というか、桑名市というか?)としては本日の市長記者会見をもって情報解禁だったため、ポスターやチラシもこれまで伏せられていたようです。近いうちに当館の1階展示室入口と館の周囲の掲示板(通り沿いや共用駐車場など4カ所)にポスターが貼られ、チラシの配布も始まります。 出品目録をホームページに公開出来るのはもう少しだけ先のようです。「開幕まであまり時間ないし、何が出るか、全貌早く知りたいな!」とやきもきしますけれども…我慢、ガマン。 ただ、これだけは、と思って確認&情報をこちらに書くことのお許しをもぎ取りました。(元職員の職権(?)濫用? 上等です!) 気になっている方も多いと思います。ホームページにはまだ記載されていない(はず)、国宝 中務正宗と重文 塩河来国光の展示期間。 中務正宗は通期、塩河来国光は後期での展示とのこと。 桑名江は前期展示だと知った頃に「後期は後期で良い刀剣出すよー」と聞いていたのですが、どうやら塩河来国光のことだったようです。 ということで、現在分かっている、本多忠勝と桑名展に出る刀剣は ○通期 国宝 中務正宗 短刀 銘 吉光 伝・小松殿所用 ○前期 重文 刀 金象嵌銘 義弘本阿(花押)/本多美濃守所持(名物 桑名江) ○後期 重文 塩河来国光 刀 無銘 伝兼光(金象嵌)本多平八郎忠為所持之 ということのようです。(見落としがあったら、申し訳ありません。)(ちなみに、黒糸威胴丸具足は通期のようです。) 出品目録の代わりにはなりませんが、みなさまのご来館計画の参考にしていただけましたら幸いです。 本多忠勝と桑名展開幕まであと18日。水面下では着々と準備が進み、いよいよ佳境に入ろうという頃でしょうか。 今は特別展への期待を胸に、表で開催中の小林研三展(緊急事態宣言の影響で、会期わずか10日足らずとなってしまいましたが)を観て過ごしたいと思います。 |
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