現在、当館では
トピック展示「くらしの道具を考える」が開催されています(
2月28日の日曜日まで)。

2014年の開館以来、ほぼこの時期に行っている、いわば「恒例」の展示です。
今回のテーマは、「電化」によって、これまで人力や火などが担っていた役割が大きく変化した道具の移り変わりの様子を、実物によってわかりやすく展示しています。
例えば、音楽を聴く道具では、蓄音機からレコードプレーヤー、カセットテープレコーダー、CDプレーヤーなど、炊飯道具では、羽釜から電気炊飯器などの変化の様子を紹介しています。


こうした道具の中には、電化等による私たちのくらしの移り変わりとともに、使われなくなったものも多くあります。
また、テレビのように電化によって新たに生まれ、進化してきた道具もあります。まさに私たちの生活がいかに変わってきたかということがうかがえるものです。
残念ながらと申しますか、私のような年齢になりますと、展示してある道具のほとんどがわかりますので、余計に変化の度合いが大きいことに気が付いてしまいます。しかし、中には材質や形を変えながらも、割と第一線で生き残っているものもあります。
その一つが暖房器具の湯たんぽで、かつては金属や陶器などでつくられていたものが、今も樹脂製でオレンジ色など暖色系のかわいいデザインのものが、ホームセンター等で販売されています。
湯たんぽは室町時代にわが国に伝わったといわれ、今も私たちのくらしの中に割合広く根付いているように思います。熱源にお湯を用いた手軽で経済的なことに加え、何よりも火気を使う他の器具に比べて安全である点がここまで普及した理由ではないでしょうか。
と、ここまで書いてきて、今回は展示室に湯たんぽが展示されていないことに気がつきました…。嗚呼…。
【湯たんぽの無い展示ケース】

(三重県総合博物館 瀧川和也)
-----
ブログ新メンバーの瀧川さんから現在県博で開催中の「くらしの道具を考える」のご紹介をしていただきました!
湯たんぽって輸入物だったんですね…日明貿易なんでしょうか。当時のチーム冷え性が喜んだことでしょう(私も冷え性)。
ブログは三重県博物館協会の会員館園の方ならどなたでもご執筆いただけますので、ぜひ三重県博物館協会事務局までご連絡くださいね。