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歌川国芳展@パラミタミュージアム
桑名市博物館元職員のK.Mです。


先日、パラミタミュージアムさんへ国芳展を観に行ってまいりました。

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浮世絵人気か、からくり人形の時間に当たっていたからか、平日にもかかわらず結構な数の方がご来館なさってました。
肝心の展覧会は、点数がかなり多くて見応えがありました。
『水滸伝』(頭に「幻想」ってつけたくなりますね!)が題材のもの。妖怪退治などを題材にしたもの。役者絵や、歴史物語(というと個人的には四鏡と『栄華物語』なんですが……)を題材にしたもの。目録によると152点だそうです。
肉筆画の表装がすごーく素敵でした。
それから、『荷宝蔵壁のむだ書』。浅学にして、たぶん初めて観まして。衝撃的でした。「浮世絵ってこんなの」という先入観というか、固定観念というか、思い込みが強かったんだなぁ、と。そういったものにとらわれすぎてはいけないな、と自戒の念を抱きました。
しかし、「らくがき」のセンスというかイメージというか……今も昔もあまり変わらない感じがして、面白いものですね。それを木版で印刷した彫師さん・摺師さんもすごい技術です。国芳「次はこれで、ヨロ!」彫師・摺師「は!?(二度見)」みたいな光景を想像するとなんだか趣深いです。
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『荷宝蔵壁のむだ書』が関連書籍として販売されていた図録に掲載されていたので、絵はがきと一緒に購入しました。
27日まで開催中ですので、ぜひご覧ください。





さて、桑名市博物館では現在、絵画を中心とした「巡る季節」展と、2階で特集陳列「陶芸乱舞」「収蔵刀剣展」を開催中です。収蔵刀剣展は今回もキャプションに一文リードがついていましたね。個人的には、截断銘の一振についていたのに「そうきたか」と思いました。
刀剣といえば、昨日・今日と四日市で刀剣の展示即売会がありまして、時間が作れたので少しだけお邪魔してまいりました。千子派の無銘の短刀(鞘書は「村正」だったので、これも「伝村正」ですね。)が一振あって、それを割としつこく観ていたからか、係の方が少しお話ししてくださいました。その際、
「10月からだっけ、村正展があるみたいですね」
「正確には村正展ではなくて、三重県ゆかりの刀剣展というか…あ、私、今度の展覧会のチラシ持ってますよ、ご覧になりますか?」
と、実に自然(?)な流れで、「三重刀剣紀行」を宣伝してまいりました!(一体、何をしに行っていたのやら……)
ちなみに、当館は現在絶賛、図録の校正中のようです。10月17日(土)からの予定ですから、開幕までもうひと月なんですね。待ち遠しくも、あっという間のひと月になるのでしょうか。
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[2020/09/20 22:35] | 展覧会案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
新発田藩溝口家と定信
『なごみ』2019年6月号に「洗朱桜蒔絵盃をめぐって」という文章を宮武慶之先生を書かれています。

そこには新発田藩主・溝口直諒(なおあき/号・翠涛)が定信から到来した蒔絵盃が紹介されています。

定信と溝口直諒との関りはどのようなものがあったのでしょうか。少し気になったので調べてみました。

まず両者の生没年を比較してみましょう。

手軽に調べられるのは『三百藩主人名辞典』です。第3巻47頁に新発田藩5万石溝口家第10代藩主として紹介されています。



溝口直諒1799-1858



定信が1758年生まれですので二人には年齢差41歳、相当離れています。
親子というより孫ぐらいの年齢差ですね。


関りがあったとしても定信の晩年にかかりそうです。


それでは閨閥はどうでしょうか。大名家は婚家・養家が入り混じっており、意外なところから繋がりが出る場合があります。


直諒の母は側室で、定信との関りはなさそうです。

正室は「松平安芸守斉賢娘」とあります。「松平安芸守」は広島藩主・浅野氏ですので、これは

浅野斉賢

を示します。残念ながら浅野家と定信の間にもこれといった血縁はありません。

それでは最後に私淑する理由として対ロシア外交は考えられないでしょうか。

新発田藩は日本海側に位置し、ロシア船の来航に備える必要がありました。
そうしたあたりから対ロシア外交を担当した定信とのつながりが考えられます。

定信の時代はラクスマンが来航し、ロシア外交が本格化する時代でした。

海防強化が叫ばれる中、直諒が定信に私淑したのかも知れません。
[2020/09/19 08:00] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
三重テレビ「旬感☆Mie」出演記
2020年9月4日、三重テレビ「旬感☆Mie」に生出演させていただき、桑名市博物館の展示のご案内をさせていただきました。

その裏側を少しご紹介。

ミュージアムで働いているとテレビ出演は基本的にVTRが多いですので、わりと慣れてくるのですが、スタジオ生出演は三重県に来てからは初めてで、わくわく半分、ドキドキ半分でした。とってもワクドキです。

テレビ出演は18:00からですが、秘書広報課のイケメンY係長と”広報の片瀬那奈”こと美人担当Mさんが館に迎えに来てくれたのは14:30。

その後ご一緒に出演するアニマルクッキーのくりまろさんをピックアップして一路津へ出発です。

最近もテレビ出演されていて、現在注目のお方です。

くりまろさんとは初対面で私も少し緊張してお迎えしましたが、バニラエッセンスと共に車中に乗り込んでこられたくりまろさんはクッキーと同様にとても素敵な方で、仕事への情熱、動物への愛情をとても熱心に話してくれました。

私はすぐに理解しました。

これは「ただ可愛いだけのクッキーじゃないんだ」と。

細部へのこだわり、生態としての動物へのまなざしが鋭く、また緻密。まさに「職人」、そのような芯の強さを感じさせながらも柔和な笑顔を絶やさないくりまろさんは本当に素敵な方でした。余談ですが身長も私(175cm)より少し低いぐらいですのでほぼ新垣結衣さんや榮倉奈々さんクラスのスタイルということなります。

車中ではY係長の趣味が自転車とサーファーとか、私が「みんなで筋肉体操」やってるとか(Mさんは「あー、なかやまきんに君のやつね」と仰ってましたがそれどこの筋肉体操ですか?)、Mさんが「ハーゲンダッツ美味しいですよね」などのお話をしていると渋滞にかかることなく15:30頃三重テレビへ到着。

応接へ通され、台本の打ち合わせでもやるのかな、と思っていたら特に何も始まらず手持ち無沙汰に。

空き時間で台本のチェックや言う事のネタをくっていたら前回の旬感☆Mieの話をしていて、出演者の方が今週のフライデーにも掲載されたとのこと。「桑名のハリウッド女優」と仰ってらしたので色々な人が桑名にいるものだ、と感心していました。(水原碧衣さんという方です)

16:30に市長到着、すぐリハーサルです。

三重テレビ (2)
写真はリハーサルの風景です。

スタッフさんにマイクをつけてもらい、段取りを通します。最初に新しい駅舎や桑名市のコロナ対策の話題があり、私の出番はその次の刀剣の話のところ。

いくつかネタを仕込んでいましたが火薬はしけっており程々でした。それにしてもああいう場所でしっかりコメントされるプロの方に改めて感服しました。

通しでやって17:30くらい、一度応接室に戻って三重テレビの社長さんといった方と懇談させていただき、18:00から出番。
あっという間劇場です。

本番、スタッフさんに案内されて席にすわると「19:00~CM」のカンペ。19分からCMに入るという指示書です。
私が座ったのが16分。

「ありゃ、あと3分しかない。どっかV飛ばすのかな」と思い、アイコンタクトがあるかとMCの若林アナウンサーを見ます。

見返してくるMCさん。目と目が合ったらミラクル、とか言ってる場合じゃありません。

変わらぬ笑顔でどんどん進めてくれるMCさんに甘えてしまい(若干巻きましたが)、ほぼ予定どおりの内容を紹介させていただきました。

引き続きくりまろさんのコーナー。司会業もされているだけあって堂々としたお話ぶりで、フロアスタッフさんが「デッド2分」といったカンペを見せはじめたときには出てないこっちが勝手にわくドキしてるにもかかわらずきっちり尺をつめてお話され、最後は若林アナウンサーがコメントを受けてまとめていらっしゃいました。

さすがに皆さんプロフェッショナルだなあ、と心から感動した瞬間です。

三重テレビ放送のスタッフさま、此度は大変お世話になり本当にありがとうございました。

普段何気なく見ているテレビも本当に多くの方の真剣な努力で成り立っていること、そしてそれはミュージアムの世界でも同様で、ぜひ展覧会もご覧いただきたいと思います。

不滅の刃を、全集中でご覧ください。←言いたかった台詞
[2020/09/07 01:00] | 未分類 | page top
斎王を選ぶ@斎宮歴史博物館
ご無沙汰しております。桑名市博物館の元職員・K.Mでございます。
騒がしかったり慌ただしかったりする夏を過ぎ、気がつけば秋ですね!
当館では先日「よみがえる連鶴」展が無事閉幕。今週末5日から始まる「巡る季節展」への展示入れ替え(と、特別企画展の準備)で館内はてんやわんやしている頃でしょうか。展示入れ替えの期間が短いと大変です。
台風10号が発生して、週末が心配な今日この頃ですが、展覧会を楽しみに待ちたいところです。




さてさて、話は変わりまして。
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行って参りました斎宮歴史博物館。

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夏季企画展の「斎王を選ぶ」。
殆どが館蔵資料のため、一部を除き、フラッシュを使用しなければ写真撮影OK!
あれこれ撮らせていただいたのですが、カメラとケースか照明か何かの相性が良くないらしく、綺麗に撮れませんでした……残念。

個人的に面白いと思ったのは、1年間に亀卜で使用できる甲の数に上限があった、という話。
斎王が選ばれて野宮にいる時は臨時で数が13足されるのだとか。12ヵ月+閏月で13なんでしょうかね?
それから、官位相当図。官職名の唐名が並記されていて楽しかったです。
いろいろと勉強になりました。

10日まで開催なさってますので、気になりましたらぜひ足をお運びください。




涼しくなって、感染症も相応に気をつければお出かけを楽しめる、そんな秋にこれからなると良いですね。
昨日は「最高気温32度」と見て、思わず「涼しいですね」と思ってしまいましたが、感覚がおかしくなっていますね……日中はまだまだ暑いです。みなさま、新型コロナだけでなく、熱中症にも充分お気をつけてお過ごしください。
[2020/09/02 13:13] | 展覧会案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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