桑名市博物館S.A.です。 先日は大黒屋光太夫記念館におじゃましてきました(o‘∀‘o)*:◦♪ 近鉄・伊勢若松駅から徒歩で15分~20分くらいのところ、若松小学校のすぐお隣に記念館があります。 ![]() 大黒屋光太夫は、天明2年(1782)に船で江戸へ向かう途中に駿河沖で遭難し、 アリューシャン列島のアムチトカ島に漂着・・・。 サンクトペテルブルグでエカテリーナ2世に謁見し、 寛政4年(1792年)に遠くロシアからラクスマンの船で日本に帰ってきました。 帰国後、幕府から取り調べをうけ、江戸の番町薬園にとめおかれて生涯を終えました。 今回の企画展では、昭和61年(1986)に発見された南若松村文書から、 光太夫が故郷の南若松村を訪れた時の史料を展示しています。 約20年ぶりに故郷の景色を見た光太夫は、どんな思いでいたのでしょう・・・ 帰郷の申請や情報を伝える文章が記された文字史料ではありますが、 古文書の側には、読み下し文のキャプションが付いていますので、 是非原文の内容も読んでみてください・・・! そしてこの度、この大黒屋光太夫が主人公の歌舞伎、 「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)」が東京の歌舞伎座にて上演されるとのことです! 大黒屋光太夫の役の十代目 松本幸四郎さん、 光太夫役を演じるにあたって鈴鹿市の方にもいらっしゃっていたのですね・・・!(歌舞伎座HPより。) 脚本は三谷幸喜さんとのことですが、どんな舞台になるのか楽しみですね(((o(*゚▽゚*)o))) なお、春の企画展「光太夫の里帰り」展は7月15日(月・祝)まで開催しています! 光太夫ってどんな人?と、気になった方はぜひ記念館へも行ってみてくださいね。 大黒屋光太夫記念館HPはこちらからどうぞ。 ******************* 「光太夫の里帰り」 期 間:3月27日(木)~7月15日(月・祝) 入館料:無料 開館時間:10:00~16:00 休館日:月曜日(休日の場合は開館) 火曜日 第3水曜日 スポンサーサイト
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![]() 存星花鳥絵椽籠軸盆 桑名諸戸家所蔵 桑名市博物館蔵 2017新規収蔵 19.0 38.3 4.8 存星とは中国・明代に行われた漆工技法の一つで、沈金の技法で文様を表わし,それに彩漆 (いろうるし) を塗りこめるか,または文様に彩漆を塗りこめてとぎ出したもの。存星の名は日本での呼称で,その由来は不明。昭和四年の売立目録に掲載されており越前松平家所蔵であるのがわかる。ご教示いただいた中之島香雪美術館梶山博史先生にお礼申し上げる。なお同館では「明恵の夢と高山寺」が好評開催中である。また軸盆とは掛け軸や巻物をのせる、長方形の塗り物の盆。床・書院などの飾りとする。 ----- 昭和4年売り立て 「旧越前福井城主 松平侯爵家御蔵品入札目録 昭和四年二月十日・十一日下見 同十二日入札並ニ開札 場所 東京都芝区愛宕下町四丁目 東京美術倶楽部 札元 東京 伊藤平山堂、川部商会、中村好古堂」 掲載作品名「一五四 存星花鳥絵椽籠軸盆」 ----- 双龍存星軸盆 九州国立博物館蔵 ほぼ同寸 2014五島美術館で存星展 ----- 昭和4年2月12日 東京美術倶楽部 旧福井藩主松平家は、江戸時代の親藩大名の中でも御三家に次ぐ家格を誇る。幕末期には開明派大名として、幕府政事総裁職に就き、維新直後には、民部卿、大蔵卿に就いた松平慶永(春嶽)を輩出した家である。同家の売立も、金融恐慌に端を発する十五銀行の破綻で、保有資産の回復を図ろうということが目的であったかも知れない。 住吉具慶筆「徒然草画帖」(現、東京国立博物館)など、今日の日本美術史的な価値観からすると、注目すべき作品も存在した売立であったが、総売上額は300,000円余に過ぎなかった。金融恐慌後の不況の深刻化による買い手側の減少に加え、間近に控えた明治・大正期の大コレクター藤田家の入札などに資金を投入したいという思惑を有する買い手も多かったことが影響したのではなかろうか。[高松良幸研究室ANNEX] ※十五銀行 昭和2年4月に経営破綻 |
桑名市博物館S.A.です。 当館では、企画展の担当者の指示の元、館内の職員で協力して展示入れ替え作業を行っています。 「元号と宸筆」展の展示入れ替えで私が担当した作業の一幕からクイズです。 これは何をする点でしょうか?↓ ![]() 白い平台の上に、6つの点が打ってあります(=゚ω゚)ノ ・・・汚れではありませんよ! ヒント①! これは釘の頭です。 基本の場合だと4つのことが多いのですが、 今回は6つ使います。 ヒント②! グループ分けをすると、こんな感じ。 真ん中の2つを共用するイメージです。 ![]() ヒント③! 赤い枠の所に作品を置きますよ~。 ヒント④! (くるっとした細い透明の線が画像の中に映り込んでいるのですが・・・) 点と点と作品とをつないで使います。 ・・・・そろそろ気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 正解はこちら! ![]() 作品を固定するための“テグスの点”でした! 三博協の梱包研修では、日本通運さんからテグス張りのコツを教えていただいたのですが、 通常だと1点の作品につき、四方4か所に釘を打って均等に力がかかるようにテグスを張っていきます。 今回は1対(2点)の作品を並べて展示するということで・・・ ・ある程度、間隔を寄せた状態で展示したいという思惑と、 ・作品鑑賞の邪魔にならないようにできれば最小限で、 ・かつ作品を安定させることのできる位置に、と思い、 釘打ちの箇所は6か所としました。 と、ごちゃごちゃ申しましたが、勿論展示の主役は作品自体ですので、 ご来館くださったお客様には、 テグスがどうかかっているか、 ではなくて、 作品の方をぜひじっくりとご鑑賞いただきたいと思います。+゚。*(*´∀`*)ノ*。゚+ 【番外編】 作品の形状にあわせてさまざまなテグスのかけ方をするのですが、 なかでも特殊だった過去の例を紹介します。 《古銅 鴛鴦香爐》はテグス張りに苦戦しました・・・! ![]() 首の辺りにテグスをかけているので、捕まえた!みたいな感じにも見えます・・・。 鳥の足の位置・作品の重心・テグスを引っ張る方向と、バランスをとるのが難しかったです。 そして、《萬古 煎茶器》を展示した際にはこんな感じ。 ![]() 高さ7.4cmほどの作品で、5点で1件です。 釘打ちが多いとごちゃごちゃしてしまいますので、中心線のラインで左右に釘の点をとり、すっきりと。 どのようにテグスを張るのが良いか、 他館での展示方法をまねしてみたり、 実際にあーでもない、こーでもない。とテグス張りの作業をしてみたりしながら 今後ともスキルアップしていきたいと思ってます~。 |
平成生まれの桑名市博物館Sです。
4月1日には新元号の発表があり、 5月1日をもちまして、「平成」から「令和」へ改元の瞬間を過ごし、 新しい時代の幕開けを迎えました。 私自身、江戸時代の古文書を読む中で元号の記述を目にすることは多くありましたが、 学生の頃は、 (;´・ω・`)<寛政の改革って西暦でいうと何年ごろの事だっけ~?とか ((;´・ω・`))<明治時代より前って元号こんなに変えるの? とか、 元号のことはぼんやりと思うだけで、 今回改元を迎えるにあたり、今一度、元号のことを考える機会となりました。 さて、現在当館ではまさに、元号に関する展覧会、 改元記念企画展「元号と宸筆(しんぴつ)」を開催しています+゚。*(*´∀`*)*。゚+。 ![]() 本展は、館蔵品を中心に、元号の記されている資料から日本史上の出来事を振り返ります。 先日ブログにて紹介のありました、大正9年の時計商組合《金銭出納簿》も出品していますよv(o゚∀゚o)v 元号についてかねがね私も気になっていた!という方も 10連休だし行ってみようか!という方も、ぜひご来館ください。お待ちしております〜! **************** 改元記念企画展 「元号と宸筆(しんぴつ)」 期間:平成31年(2019)4月27日(土)~令和元年(2019)6月30日(日) 休館日:5月7日(火)、5月13日(月)以降は毎週月曜日 開館時間:午前9時30分から午後5時まで (入館は午後4時30分まで) 入館料:高校生以上 150 円、中学生以下無料 展示解説: 5月1日(水・祝)・6月9日(日)・6月19日(水) いずれも午後1時30分から。予約不要。入館料のみで参加出来ます。 |
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