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サダノブログ
さて世間はGWですが、8月8日福島県白河市で開幕予定の『大定信展』の担当者のはしくれとしてはそんなものを気にしてはいけません(笑)

現在展覧会出品資料の最終まとめの真っさい中です。

出品期間が決まっているもの、台が必要なもの、桑名で出て白河で出ないもの(逆もまたしかり)さまざまな要素を勘案して展示構成を決めていきます。

特に今回の会場であります白河集古苑さんや桑名市博物館はケースが作り付けですのでそれにあわせた展示構成にせざるを得ません。

現状の構成では、

第1章 誕生 -田安のプリンス-
第2章 転機 -松平越中守家へ-
第3章 挑戦 -寛政の改革-
第4章 花月 -文化人として-
第5章 楽翁 -浴恩園での日々-

という感じで考えています。一生涯を通じて大名として、政治家として、文化人として様々な側面を持つ定信の魅力を幅広く紹介する予定です。

定信関連の資料群のうち、やはり見栄えがするものは絵や屏風なのでこれらは第4・5章に多く入る予定です。

写真は先日調査に伺った早稲田大学図書館です。

P1210051.jpg

入って右に展示コーナーがあり、館蔵の名品が展示されています。今回は早稲田の誇る雲英末雄先生(「きら」先生と読みます。俳諧研究の大家です)のコレクションが展示されていましたが中々に充実して素晴らしいものでした。

早稲田さんはこの他にも演劇博物館・会津八一記念博物館・125記念室といくつか展示スペースがあり、様々な分野に渡って展示が行われています。仕事柄多くの大学にお邪魔しますが、これだけ充実した博物館施設を一キャンパス内に複数持っているのは数少ないと思います。

※早稲田さんも定信に関係する貴重な資料をご所蔵で、今回の展覧会にも多大なるご協力を頂戴しております。
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[2015/04/30 18:28] | 未分類 | page top
サダノブログ -署名と印章-
大定信展、図録を作る予定なのですが、そこに印譜を掲載する予定です。

定信さんは筆まめだけあって結構な数の自筆史料が残っており、署名や印はかなりの数に登ります。

それを整理・同定していく作業は大変なのですが、そうした研究こそが学芸員の大事な仕事でもあるのでこれはやらねばなりません。

今のところぼちぼち材料を集めていってるところなのですが、大まかに言うと絵と書では根本的に使用する印鑑が全く違います(たまぁーにダブるときもありますが、まずまれ[not朝ドラ]です)。

こうした署名の研究はやっぱり絵画史で厚くて、近年だと

對馬恵美子『平尾魯仙の落款について』 青森県立郷土館研究紀要(37) 2013.3
切原勇人『薩摩の絵師 木村探元の落款について』 黎明館調査研究報告25 2013
中村麗子『上村松園の作品における落款について』 東京国立近代美術館研究紀要(16) 2012

と個別の研究蓄積が目に付きます。

総論ですと『歴史読本』847号(2010年1月)で

「落款の世界--名前を記すことへのこだわり 渡辺崋山/円山応挙/犬養毅/山東京伝/勝海舟/横山大観 ほか」

が特集されており、「落款」を理解するには丁度良いかも知れません。

単著では北川博邦「モノをいう落款」(二玄社, 2008.8)が内容はわからないのですが面白そうです。

まずはこれらに目を通して、「落款」の基礎的な理解と、分析方法を絵画史から学ぶのがよさそうです。
[2015/04/26 13:02] | 大定信展 | page top
松平サダノブログ -01-
久しく更新されていないのでこちらでPR進めていきたいと思います。

今年夏から秋に福島県白河市・三重県桑名市で開催されます

大定信展

でございます。最近は「大徳川展」や「大関ヶ原展」など「大」流行の兆しですが、ウチも完全に乗っかりましたよ!

すでに「おおさだ・しん」という現代美術作家さんですか?という疑問も頂戴しております(^-^;)

違います!

「だい・さだのぶてん」


ですからネ!

「寛政の改革」を推進した江戸幕府老中・松平定信の展覧会です。

空前かも知れませんが絶後の可能性が高い大展覧会ですので、ぜひお見逃しなく。

中の人はいま完全に死んでいます。まだまだやることてんこ盛りですからね。

8月8日に無事白河で開幕を迎えられることを心より祈っております。
[2015/04/25 19:16] | 大定信展 | page top
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