そもそも、「みえものがたり」は、平成19年度に、会員館(園)もしくは博物館関係者が、日頃の研究成果や活動成果などをわかりやすく一般に公表し、意見交換をおこなう機会を設けることを目的として打ち立てられた事業です。
テーマは各年度設定し、会員館(園)の地域区分にしたがって、各地域で1会場、年間3会場を設定し行うこととされました。講師数、会場数は少なくなってきましたが、三重県に色々な博物館があることを知ってもらう機会として、これまで毎年開催されてきました。 これまでの概要をみると以下の通りです。 なかなか、豊富なラインナップです。県内の博物館職員だけでこれだけ豊富なネタを提供できるのです。 平成19年度 テーマ「道」 平成19年8月26日(日) 会場 朝日町歴史博物館 講師・演題 井後 尚久((財)澄懐堂美術館) 「文人の書道」 千枝 大志 (本居宣長記念館) 「本居宣長をめぐる道」 平成19年11月18日(日) 会場 本居宣長記念館 講座室 講師・演題 和氣 清章(松阪市文化財センター) 「米の来た道、朱を運んだ道」 幸田 知春(伊賀流忍者博物館) 「化ける技術―忍者は職人?―」 平成20年2月3日(日) 会場 皇學館大学佐川記念神道博物館 講義室 講師・演題 堀越光信(四日市市立博物館) 「神木聖樹(しんぼくせいじゅ)の思想と神道―神像彫刻の造形―」 深田 一郎(神宮司庁文化部) 「伊勢の流通―神宮徴古館資料に見る―」 平成20年度 テーマ 「道」 平成20年9月14日(日) 会場 JA三重中央郷土資料館 会議室 講師・演題 帝釈 元(鳥羽水族館飼育部) 「イルカたちの来た道」 福井 健二(伊賀上野城) 「藤堂高虎と伊賀街道」 平成20年10月26日(日) 会場 藤原岳自然科学館 レクチャールーム 講師・演題 川添昭夫(藤原岳自然科学館) 「ようこそ自然科学の世界へ ~子どもたちを郷土に導く取組み~」 今村隆一(三重県立博物館) 「旅をするチョウ アサギマダラの不思議」 平成21年1月25日(日) 会場 紀北町東長島公民館 2階 会議室 講師・演題 小倉 肇(紀伊長島郷土資料館・紀北町教育委員会教育長) 「魚の道 -江戸時代の道中記に見る熊野古道-」 石川 達也(皇學館大学佐川記念神道博物館) 「伊勢の歌舞伎と千束屋」 平成21年年度 テーマ「海、それは人・モノ・文化を結ぶ道」 平成21年8月27日(木) 会場 志摩市立阿児ライブラリー(阿児図書館・阿児資料館) 講師・演題 和氣 清章(松阪市文化財センター) 「海の古墳、村の海」 平成21年12月6日(日) 会場 お城会館(旧市民会館・伊賀市) 講師・演題 西城利夫(NPO法人伊勢河崎まちづくり衆) 「伊勢と河崎 ~川がはぐくむ暮らしと文化~」 平成22年2月6日(土) 会場 四日市市立博物館 講座室 講師・演題 平賀 大蔵(海の博物館) 「赤須賀船の話 ~熊野灘の浦村と北勢地方を繋いだ船~」 平成22年 平成22年12月12日(日) 講師・演題 山本 命(松浦武四郎記念館) 「坂本龍馬の蝦夷地開拓構想と松浦武四郎」 会場 四日市市立博物館 講座室 平成23年2月5日(土) 講師・演題 藤田 直信(松阪市歴史民俗資料館) 「仏像鑑賞のすすめ」 会場 松阪市文化財センター 第3ギャラリー 平成23年 テーマ「三重の仏像」 平成23年12月4日(日) 講師・演題 瀧川和也(三重県立博物館・三重県生活・文化部新博物館整備推進室) 「三重の仏像とその銘文」 会場 亀山市歴史博物館 講義室 平成24年2月11日(土) 講師・演題 赤川一博(パラミタミュージアム) 「仏像入門-これであなたも仏像博士」 会場 斎宮歴史博物館 講堂 |
昨日は、会場に来ていただいたみなさん、ありがとうございました。
そして、会場の志摩市歴民の方々、講師、レポーター、事務局長、皆さんお疲れ様でした。 早速、アンケートが事務局のデスクに置いてありましたので、集計いたしまして、皆様から 頂いたご意見を、今後の三重県博物館協会の活動に生かしていきたいと思います。 このブログの主体であるワーキングや、運営委員会でも紹介し、議論する材料としたいです。 やはり、第1回、第2回と重ねて、「三重県博物館協会」自体の知名度が少ないということ を痛感いたしました。本年度のミュージアムトークでは、協会作成の小冊子『三重の博物館』 をお配りして、協会というまとまりがあることをPRしていかねばと考えております。 会場の志摩市では、志摩市歴史民俗資料館https://www.city.shima.mie.jp/kurashi/kyouiku/post_265/以外に、志摩マリンランドhttp://www.isesima.com/M-rand.htm、大山玉宝美術館http://www.ohyama-pearl.jp/museum/が加盟しております。地域の方でも、自然、歴史、美術などいろいろ興味関心が分かれていますので、全部の館行ったことがある人は案外少ないかもしれません。ということで、多様な興味関心を持たれている方々が、各館の新たな魅力を発見するためのツールや場を提供できればと、私個人は思っております。 |
ミュージアム関係の話題を2件紹介します。
ひとつはミュージアムを舞台にした小説です。 山本幸久さんの『展覧会いまだ準備中』(中央公論新社)。 ![]() 4年目の学芸員が繰り広げる恋や仕事のお話です。業界ネタは結構ありますが、その分突っ込みどころも満載です。 比較的読みやすいので、もし手に取る機会があればぜひ。 もうひとつはテレビです。 NHK「探検バクモン」です。 先週分をすでに見られた方がいらっしゃったかも知れませんが、来週もありますよ。東博が取り上げられます。 まぁこれを「あずま・ひろし」と人名と思わず「とうはく」と読む段階で一般の方ではありませんが(笑) ハム作りの達人・神庭先生といつもにこやかな白井先生の魅力を充分に引き出していただけることを期待しましょう。 |
明日23日13:30~、ミュージアムトークみえものがたりを志摩市歴史民俗資料館で開催いたします。
講師は桑名市博の鈴木さんです。協会事務局よりは岸田が参ります。 講演の題名は、「ハマグリの魅せる夢」。ハマグリと蜃気楼にまつわる不思議なお話をいただけるものと思います。 事務局では、垂れ幕の印刷、プロジェクターやPCの準備、レジュメの印刷、名簿の準備、アンケートの準備、配布資料の準備を、今日行いました。アンケートでは、三重県博物館協会を知っていますか?という項目をたてて、三博協の知名度を調べておりますが、案の定、散々な結果です。まあ、これを機会に知っていただくことが大切ですので、地道な作業かと思いますが、『三重の博物館』というパンフレットを肴に、三重県の博物館のネットワークについて広めていこうと思っております。 |
今後の予定としては、
①2月中に各会員館園が何を出品できるかアンケート ②3月には仮のカタログを作り、来年度5月に三博協総会で審議する という2点となります。 近日中にアンケートの雛形を郵送、あるいはメールにて送付いたします。「我が館はここから始まった」というテーマですので、館の履歴も記入いただくようにいたします。急な日程で申し訳ございませんが、各会員館園およびご担当者のご協力をお願い申し上げます。 これで確定ではなく、今後色々とワーキングからご相談させていただくこととなるかと思います。出品に関するご相談や、ご意見などございましたら、WGに連絡いたしますので事務局までお寄せください。それとともに、その他展示をつくりあげるうえで必要な分担決定や、今年度で予算執行できる展示の準備活動を実施していく必要があります。 なお、同時開催するイベントについても検討を進めております。同時に行うシンポジウムについては、「博物館の連携を考える」とし、いろいろな機会を通じて連携づくりをしていくこととします。例えば、従来からある東海三県の博物館協会の枠組みや、日博協の支部の枠組みなどが考えられます。目標としては、静岡、愛知、岐阜、滋賀、京都、大阪、奈良、兵庫、和歌山への呼びかけを行えればとなりました。 |
例えば、どんな資料の出品が想定されるかにも、話が及びました。
三重県立博物館ならば、開館のきっかけとなった昭和26年行幸時に展示され、現在も保管されている、熊や鹿の標本ではないか? 松阪市文化財センターならば、開館のきっかけとなった船形はにわではないか…。 もちろん、すべてワーキング内の案の段階ですが、こんな議論をしつつ、ワーキング参加館を中心に、現在出品票例を作成中です。 一方問題となったのが、開館をそのまま伝える資料がない場合はどうするのか、という問題です。結論的には、各館の特徴をあらわすような資料であれば、全体テーマと調和がとれるだろうという話となりました。例えば、この資料の展示から館の取り組みが変わったとか、このコレクション受け入れで館のその後が変わったとか、この品が館の特徴をよく表しているとか、という館の現在や館の歴史の通過点にまつわる資料でもよいということです。 また、1品なのか、コレクションなのかという問題についても、各館の判断にお任せして、一覧が出てから調整してはどうかという方向でまとまりました。 ちなみに、ワーキング参加館にも、現在のところ1品と写真パネルを出そうと計画している館と、資料群をまとめて出品する方向で計画している館があります。 今後の課題としては、美術品、民俗資料、自然資料など多種多様な資料が集合することからくる保存環境の問題をどうするかや、輸送の問題をどうするかが挙げられました。基本的には資料の種類によってゾーニングし、ケースなどを利用し、美術品出品の場合の環境のグレードに耐えうる配置とすること、各館の出品資料希望のアンケートの状況をみて輸送の問題を考えることが方向づけられました。 |
●本居宣長記念館
さすが宣長先生の記念館だけあって、情報量はすごく充実しています。解説項目作品や、宣長ワールドなど、発信も積極的に実施されています。「最新情報」では館の普段の状況もうかがえますし、とても親近感を持つ内容だと思います。擬人化されたキャラクターも可愛らしく、若い方にも広くアピール出来るのではないでしょうか。話し言葉を三重弁を出すとより郷土色豊かになると思います。例「作品が出とるに~」 jpgの画像が無料で利用出来たり、展示リクエストなど本当にさまざまな工夫をされています。 ●松阪市文化財センター 松阪市のHP内にあります。必要な情報はほぼ網羅されています。図録・報告書などの表紙画像が見られるのはイメージがもちやすくて良いですね。「はにわ館通信」をpdfで見ることができます。 ●斎宮歴史博物館 トップページに開館カレンダー。見事な配置です。地図も四段階あってわかりやすい。 斎王・斎宮跡関係のデータベースも充実。ウェブデザインとしては視認性も高く素晴らしいHPだと思います。 あとは例えば次回展覧会の紹介などを(たとえ館蔵品展とはいえ)充実させてもらえるとより閲覧者の来館意欲を高める効果があるのではないでしょうか。 ●明和町立ふるさと会館(明和町立歴史民俗資料館) 必要な情報はほぼ掲載されています。ブログもあり、情報発信もされています。ただし図書館がメインで、歴民関係の記事はあんまりありませんでした…。残念(´・ω・`) ●多気町郷土資料館 多気町HPの中にあります。昔の薬に関する展覧会なのですが、紹介文のリード、「昨年はiPS細胞を作り出した山中伸弥氏のノーベル賞受賞が話題となりました。様々な人体組織や臓器になりうるiPS細胞は難病の原因解明や新薬開発に役立つと期待されています。」ってこれ本当に上手いですよね。学芸員、とくに地域の学芸員に求められる能力のひとつとして「伝える技術」というのがありますが、一般の話題になっていることを救い上げて展覧会、ひいては地域文化への注意を喚起し魅力を伝える見事なリードだと思います。三博協仮ブログ大賞・見事な紹介文部門があれば差し上げたいと思います。 HPは必要な情報はほぼ掲載されています。館の外観など、写真情報や所蔵資料情報などが無いのが残念です。 |