博物館協会のウェブ考察の4回目。
愛知県博物館協会 兵庫県博物館協会 千葉県博物館協会 富山県博物館協会 沖縄県博物館協会 に続いて検索上位だったのは北海道博物館協会さん。 ここは会員館園紹介やジャンル別の検索などはなく、あくまで博物館協会そのものの紹介に特化しています。 その分協会そのものの活動は詳細に紹介されており、北海道という地域を考えると開催場所によっては参加館が限定されるという点もあり、「つながり」を保持するためにもこうしたウェブで「どのようなことが行われているのか」を共有するという目的は達成されていると思います。 続いては茨城県博物館協会さん。 トップページのデザインがまずおしゃれです。館園各館の紹介ページも洗練されています。 地域・ジャンル別の館園検索も実装。ただしウェブが出来たのは比較的新しく2011年とのことで、機能そのものとしては館園の紹介に特化している印象を受けました。 以上、4回にわたって博物館協会のウェブを調べてみましたが、 1)ジャンル・地域別の館員紹介が実装 2)これまでの研修・報告会などの報告がpdfなどで閲覧可能 この2点はおおむねどのサイトでも整備されていることがわかりました。すなわち、「外向け」と「内向け」の両方の機能が博物館協会のウェブには求められるということです。 ただし、ほとんどのウェブがあまり熱心な更新をされているとは言い難い(ブログをやっているところは検索上位協会には無し)状況でした。定期的な情報発信というのがひとつの課題だと思います。 上記をひとつの結論として、博物館協会のウェブ考察は今回をもって終了といたします。 スポンサーサイト
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三重県博物館協会では、スキルアップ研修として、2年に1度程度のサイクルで、梱包の研修を行っています。
今年度は1月に亀山で行います。研修の通知をいたしましたら、早速申し込みがきました。 貴重な博物館資料を運んだりする場合、ていねいに包む必要があります。当然、これまでいろいろな博物館の展示にあたって、仏像や壺、古文書などいろいろなものが運ばれているわけですので、それぞれに対応した、テクニックが開発されています。 それを、熟練した講師から学び取るというわけです。博物館に新採で勤めはじめた人や、異動で別の部署から変わってきた人に重宝がられる講座です。 あたりまえですが、普通のラッピングとはかなり異なる部分があります。綿などでクッションを入れることは当然ですが、普通にほこりやこすれを防ぐためにくるーりと全体を包む場合でも、普通のラッピングとは異なります。某大手スーパーで勤務経験のある先輩が職場におりまして、二人で資料を包むことがありました。包んだ後、「スーパーおられたときは、包むのやらされたんですよね~」と余計な質問をしましたら、「スーパーやデパートのラッピングは、品物をくるくる回して角をきれいにつけていくけど、資料をくるくる回すわけにはいかんやろ」とのこと。そんなことで、「全然ちがうはな~」といわれてしまいました。 確かに、物をできるだけ動かさず包むということは、博物館の常識です。しかし、博物館の梱包と、普通のラッピングと対比させて考えたことはなかったので、自分の軽口からでたこととはいえ、目からうろこでした。 美術品梱包を知らない方に説明するときには、これをネタにするとわかりやすいかなと、頭の中のネタ帳に書きこんだのでした。 |
博物館協会ウェブサイト考察の3回目です。
これまで、 愛知県博物館協会 兵庫県博物館協会 千葉県博物館協会 を検索上位御三家として紹介してまいりました。 検索数というのは日々変化しますので、上位は変動するのですが、それでも上位にあがってくるところは一定であり、上位グループとして括れると思います。 4番目に紹介するのは富山県博物館協会さん。 トップページがまずおしゃれです。科学館風の雰囲気を受けるとともに、英露中韓の4言語対応です。 まずこれに驚き。 中に入っていきますとジャンル検索・マップ検索という二大機能は当り前のように標準装備。 展覧会案内はhtml組みなので、HP管理者に情報を寄せてそれをあげていくシステムなんでしょう。 トピックスでは更新頻度を紹介しており、月一回程度とはいえなんらかの手が加わっていることがわかります。 5番目は沖縄県博物館協会さん。 地域別の会員館園案内があります。沖縄の場合はエリアが広範囲にわたるため、ジャンル検索はあまり必要がないのかも知れません。 これは、南北に長い三重県にもひとつのヒントを示唆しているようにも思えます。 FBも展開しており、カレントな情報はそちらに掲示されているようです。 パスワ付きの会員専用掲示板の実装が面白いですね。 |
「博物館協会」のウェブサイト考察の2回目です。
続いてが兵庫県博物館協会さんで、事実上の第2位となります。 兵庫の歴博さんが幹事館で、出だしからイラストたっぷりの親しみやすいトップページになっています。 館紹介は、ジャンルと地区別で検索が出来るようになっており(愛知県もそうでしたが)、この会員館園を二重検索出来るようにしているのは人気ページに共通しているようです。 おもなコンテンツはその会員館園の紹介と、pdfで配布しているガイドブック・展覧会案内で、恒常的に更新しているページはありません。 神戸・姫路が観光地で、その核となるミュージアムがしっかりとしているので観光ガイド的な役割を果たしているのかも知れません。デザインもすっきりと見やすく、各館園の紹介ページもわかりやすいです。 第3位が千葉県博物館協会さん。 ここも上位サイトと同様、館種別・地域別の検索を備えています。 役員紹介のところで、各種委員会が存在してそれぞれ運営されていることがうかがえます。 独自視点があるのが「おもしろ豆知識」のコーナー。学芸員さんの気軽なコラムで親しみが持てます。 残念なのは、いつupdateされたか不明なため、定期的な更新がなされているかどうか不明な点。html組みなので、なかなか更新は大変じゃないのかと思います。 ただこうした読み物は定期的な更新につながり、PRの継続性が担保されるためにリレー形式などで実施すると面白いのではないでしょうか。 |
三博協のホームページを何とかしていこう!ということで始まった本ブログ。
ひとつは内輪向けの連絡網をきちんと作っていこうということ。「何をやっているか」「次はどんな催しがあるのか」を定期的に発信できる、その仕組み作りを現在試行錯誤しつつも模索中です。 そんな中、やはり気になるのは他の博物館協会さんのHP運営。 まず、「博物館協会」でググるとトップはさすがに「日本博物館協会」。 その次が「大阪市博物館協会」です。 大阪市にある博物館の協会と思えばさにあらず、大阪歴博など博物館施設の管理運営をする組織のようです。 その次が「全国科学博物館協議会」でこれは全国組織。 4番目に「愛知県博物館協会」があがりまして、都道府県別のいわゆる博物館の協会では愛知県が実質検索数トップということになります。 デザインセンスあふれるもので、内容は「あゆみ」「活動報告」「加盟館データ」「展覧会情報」「成果」「協会報」といったコンテンツが整備されています。 最新更新日は2012年9月なので若干寂しいですが、2~3か月に1度の更新はされている様子。 成果物の多くがpdfで見られるのは一番の強みで、博物館協会の蓄積をご覧いただくというアーカイヴ的な役割が充実していることがうかがえます。 そして、こうしたpdfなどの内容をご覧になる方が多く、検索数が伸びているような感じを受けます。 お隣にこうした強力な博物館協会ウェブがあることはとても刺激になりますね。こうしたことを参考にしつつ、三博協もコンテンツの充実を図っていきたいものです。 |
平成24年12月8日(土)に、三重県四日市市あさけプラザにて、
第5回久留倍官衙遺跡講演会「伊勢国と東海道」が開催されました。 この場をお借りして、講演会の内容を少しご紹介させていただきます。 久留倍遺跡は、三重県四日市市の朝明川と海蔵川の間の丘陵に位置する古代遺跡で、 掘立柱建物の跡から、役所や官庁の機能を持った古代の官衙遺跡であると考えられています。 また、久留倍官衙遺跡は古代路が推定される位置に面することから、 壬申の乱や聖武天皇の東国行幸の経路との深い関係があることが指摘されています。 久留倍官衙遺跡は、1999年から発掘調査が始まり、2006年に国指定史跡となりました。 遺跡の保護・保存およびその活用について、久留倍官衙遺跡を考える会や、 三重大学人文学部、伊勢湾・熊野地域研究センター・考古学研究室の方々を中心に、 史跡をめぐる「壬申の乱ウォーク」や講演会等さまざまな活動が開催されています。 今回開催された講演会は、「伊勢国と東海道」をテーマに、 三重大学の古代史・中世史・近世史を研究なさっているお3方の教授による講演でした。 山中章名誉教授からは、「久留倍遺跡と東海道朝明駅家」をテーマに、 古代東海道の位置を検討の上、街道沿に面する駅家の構造から、 久留倍遺跡が朝明駅家であったことを論じていただきました。 山田雄司教授からは「紀行文にみる中世北伊勢の交通路」をテーマに 連歌師 宗長が記した『宗長手記』や、連歌師 里村紹巴が記した『富士見道記』などの 紀行文の記述から、古代や近世とは異なる中世の交通路・旅の特徴について、 塚本明教授からは「江戸時代の交通路と四日市・桑名」をテーマに 陸路・海路の河川交通の結節点として発展した、四日市宿・桑名宿の役割や 参宮文化の影響についてご講演いただきました。 講演会後のミニシンポジウム「伊勢国と東海道」では、古代から近世を通して、 道の持つ機能や役割の変遷について、来場者から質問があがっていました。 関心のある方は、次回開催の際にぜひご参加ください。 三重大学人文学部、伊勢湾・熊野地域研究センター主催のイベントは、 チラシでのお知らせのほか、三重大学人文学部ホームページ内で 告知されることがあるようですので、ぜひチェックしてみてください。 |
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明日は、視察をともなう、三博協研修会です。
リニューアル・新館オープンなった伊勢志摩地域の博物館園を巡ります。議論がしっかり盛り上がり、各館園へ還付できるようなるような会になればと思っております。しかしながら、せんぐう館・志摩市歴史民俗資料館・絵かきの町・大王 美術ギャラリーを昼から巡るという強行軍。なかなかハードな日程で、皆さんお疲れにならないか少し心配です。 研修会でも、WGの成果と現状を報告するべく、ペーパーを作っています。ネット音痴の私も何とか、ブログに書き込み、明日報告できればと思っています。 |
くわしくはこちら
http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/2012110331.htm をご覧ください。 あと小ネタ。 茅野市職員を総学芸員化 牛山教育長が方針 更新:2012-12-12 6:01 茅野市の牛山英彦教育長は11日の市議会12月定例会一般質問で、縄文文化を生かしたまちづくりを進める「縄文プロジェクト構想」をさらに推進するため、「市職員総学芸員化」に取り組むという考えを明らかにした。縄文文化に関する研修のほか、「尖石縄文検定」を受けてもらうことも検討する。 縄文プロジェクト構想は、2009年秋に英国の大英博物館で開催された「土偶展」に、同市出土の国宝「縄文のビーナス」と重要文化財「仮面の女神」が出品されたことを契機に、世界に通じる縄文文化の価値を見直し、考古学の世界にとどめず、今後のまちづくりに生かしていこうと策定された。 この中では、大人から子どもまで全ての市民が、自分たちが住む茅野市に貴重な文化財が多数存在していることを知り、その価値や意義を正しく理解し、世界に発信できる人材を育成する「市民総学芸員化」を目指すとしている。市教育委員会は、その一環として2010年度から「尖石縄文検定」を実施しているが、底辺拡大が課題になっているという。 牛山教育長は小中学生への取り組みとともに「社会人に対してもいろいろな機会を捉えて受検者の拡大を図っていきたい」と強調。「そのきっかけとして市の職員に研修を行い、市職員総学芸員化の取り組みを始めたい。そうした活動が広まっていく中で市民にも浸透していくと考えている」と述べた。 柳平千代一市長は取材に「政策、施策を推進する市職員がまず茅野市の縄文文化を理解することは大切なこと」と指摘。検定受検については「強制はできないが、成果を試す機会として面白いのではないか」とした。また、縄文人の精神性や哲学にも及び自らも「難しい」と認める縄文プロジェクト構想について「概要版」の作成を検討する考えも示した。 なかなか面白いプランですな。 もうひとつ小ネタ。こっちは三博協にも参考になりそうなヤツ。 ポーラ美術館、学芸員が"タスキ"をつなぐ「ギャラリートーク駅伝」開催 美術館は、学芸員による30分のギャラリートークを10回連続で行う「ギャラリートーク駅伝」を開催する。開催日時は2013年1月13日 10:00~16:00(12:00~13:00を除く)。参加費は無料(当日の入館券は必要)。 このイベントは、現在同館にて開催されている開館10周年記念展「コレクター鈴木常司 美へのまなざし」の見どころを10個のテーマに分け、6人の学芸員がタスキをつなぎながら全10回のギャラリートークを行っていくもの。各回とも、トークショーの参加定員は30名。イベント当日はいつでもトーク観覧に参加することが可能で、参加者全員に各トーク内容に関係する作品のポストカードが1枚ずつ配布される。 さらに、トークショーに1回参加するごとにひとつ押されるスタンプが所定の数に達した段階で、その数に応じた景品が贈られる。スタンプ3個で「ポーラ美術館オリジナル めがねふき(525円相当)」、5個で「マグカップ(1,260円相当、2種より選択)」、7個で「ポーラ美術館オリジナル モネのオリジナルサーモキーパー(3,990円相当)」がプレゼントされる。スタンプをすべて(10個)集めると、「コレクター鈴木常司 美へのまなざし」展の図録とポーラ美術館無料ペアチケット、そしてチケットフォルダのセット(総額6,210円相当)が進呈される。 これは良い。ギャラリートーク(GT)をどう魅力的にするかは大事な課題ですな。 |